第35話
木嶋は、大森さんとは、飲みに行くことは、以前からあったのだ。
最近は、行く機会がなかったのだ。
大森さんの家は、茅ヶ崎市であった。
茅ヶ崎市の自宅から会社への通勤手段は、原チャリである。
木嶋は、原チャリを乗ったことがないので、大森さんの原チャリを、会社内で少し乗ったりしていた。
木嶋と飲みに出かける時は、原チャリを家に置いて、路線バスやJR、小田急線を乗り継いで、会社の最寄り駅まで来て、会社の送迎バスに乗り、出勤して来るのだ。
大森さんは、普段から電車を乗らないので、キップの買い方なども分からないのだ。
木嶋は、会社の最寄り駅〜横浜で乗り換えるためので、横浜駅周辺ではるかと会うことは出来るのだった。
少しして、大森さんが
「木嶋君、行きたいのは山々だが、自分からみたら行くにも、帰るにも大変なので、クラブ『H』に行くことは出来ない。会社の最寄り駅近くならいいよ!」木嶋に、伝えてきたのだ。
木嶋は、
「大森さんの家が、茅ヶ崎だから横浜に行くのは大変だよね。会社の最寄り駅近くなら何回でも行く機会があるよね。会社の先輩方も誘えばいいから…。」大森さんに、話していた。
大森さんも、頷いていた。
木嶋は、大森さんの元を離れて自分の職場に戻って行った。
仕事の終了チャイムが、
「キーン、コーン、カーン、コーン」鳴っている。
仕事を終え、ロッカーで着替え終わった木嶋は、富高さんを待っていた。
富高さんが、
「木嶋君、待っていてくれたの?」
木嶋は、
「待っていましたよ。」富高さんに、話していた。
会社の送迎バスに乗り込んだ。
木嶋の後ろにいた、会社の先輩、小室さんは、
「木嶋、飲みに行くのか?」尋ねてきた。
木嶋は、
「富高さんと、横浜に飲みに出かけるんですよ。」
小室さんは、
「今度、木嶋の飲みに行っている所に連れていってくれるか?」木嶋に、話していた。
木嶋は、富高さんと相談していた。
「今度で、いいなら行きましょう。富高さんも、OK出してますので…。」小室さんに伝えた。
小室さんは、嬉しそうに、
「ありがとう。」感謝の言葉を、木嶋に伝えていた。
木嶋は、
「来週中に、一度、小室さんの所に伺います。」小室さんに伝えた。
会社の送迎バスが、最寄り駅に着いた。
バスのドアが、エアーを立てながら、
「プシュー」と開いた。
木嶋と、富高さん、小室さんもバスから降りた。
木嶋と富高さんは、最寄り駅の改札口に向かった。
小室さんは、いつもの行きつけの店があるらしく、木嶋たちとは、逆方向に歩いて行った。
木嶋は、富高さんと一緒に富高さんが利用している通勤経路で横浜に向かった。
駅のコンコースを歩きながら、富高さんが、コンビニ前で立ち止まる。
木嶋が、
「富高さん、泡の出るのを買いに行くのかな?」富高さんに、問い掛けた。
富高さんは、
「うん。そうだよ。」木嶋に言い、コンビニの中に入って行った。
富高さんは、いつも電車の中で飲みながら帰宅していた。
木嶋は、電車の中では飲み慣れていないので、ビールを頼まなかった。
ビールは、居酒屋とかで、 《ゆっくり飲む》決めていた。何回か電車の中でビールを飲んで見たが、揺れ動いているので最後まで飲みきれないでいた。
電車に乗り、富高さんは、木嶋に缶コーヒーを手渡した。
木嶋は、
「今日は、自分のワガママで付き合って頂くのに気を使わなくてもいいのに…。」富高さんに、話したのだ。
富高さんは、
「今日は、自分にも嬉しいんだよ。」木嶋に、話していた。
木嶋は、
「富高さん、何か良いことでもあったのですか?」富高さんに、聞いてみた。
すると、富高さんは、
「はるかさんに、会えるのが嬉しいんだよね!」
木嶋は、富高さんからそのような言葉が出るとは、思わなかったのだった。
木嶋は、
「富高さんも、はるかさんが好きなのですか?」と尋ねていた。
富高さんは、
「好きではなくて、若い女性と一緒に飲めるのが嬉しいんだよ!」木嶋に、話したのだ。
木嶋は、
「そうだよね。会社では若い女性社員たちと交流などないからね!」富高さんに、話したのだった。