第349話
木嶋は、
「はるかさん、《チャンス》があればまた…働きたいと言うことを話していたことがあったが、今でも、その気持ちは変わらないの?」はるかに尋ねた。
はるかは、
「もちろん…その気持ちは、変わりません。一度、夜の仕事をしていたら…戻りたいと思うのは仕方ないと思います。あとは《タイミング》かなと…。」木嶋に話したのだ。
「そうか…《タイミング…ね》麻美さん、玲さんは、自分と同じ年齢で、もう昼間の仕事を探すのにもキツクなっているよね。はるかさんは、まだ若い。今は、夜の仕事を考えないで下さい。」木嶋は、はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「そうですね!考えないようにします。夜の仕事をしたら…今でさえ…木嶋さんと会う時間が少ないのに、更に減ってしまいます。」木嶋と会う時間を考慮しているみたいである。
はるかは、本当のことを語っていると思っていない。
麻美のクラブ『U』に飲みに行ったとき…
「はるかさんは、木嶋君以外の人と付き合っているよ。そこまで頑張らなくてもいいよ。」その言葉を思い出していた。
はるかが、
「木嶋さん。冴えない表情を浮かべて…どうしたのですか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「何でもないよ!」はるかに精一杯の強がりを見せていた。
はるかが、右手を上げた。
男性店員さんが気づいて、テーブルに来た。
「お待たせしました。ご注文をどうぞ。」はるかに伝えた。
はるかは、
「スコーンのセットで、飲み物は、ホットロイヤルミルクティーでお願いします。」男性店員さんに告げた。
男性店員さんは、
「畏まりました。スコーンのセットで、飲み物は…ホットロイヤルミルクティー。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」はるかに尋ねていた。
はるかは、
「木嶋さんは、飲み物を頼まれますか?」木嶋に、優しく問いかけた。
木嶋は、家を出るときに…缶コーヒーを飲んでいた。
「自分は、いいよ。」はるかに話した。
はるかは、
「それでいいです。」男性店員さんに答えた。
男性店員さんは、
「少々…お待ち下さいませ。」はるかに伝え、テーブルから離れていく。
はるかは、
「木嶋さん…心配しすぎですよ。私はまだ、昼間の仕事に勤務始めたばかり…先ほどは、夜の仕事に戻りたいと言いましたが、復帰するとすれば…まだまだ先のことですよ!」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「そう言っても…不安に変わりはない。」はるかに伝えた。
ひと時の静寂な時間が過ぎていく。
男性店員さんが、はるかのオーダーした物を持ってきた。
「お待たせしました。こちらが、スコーンになります。ホットロイヤルミルクティーです。」はるかの目の前に置いた。
はるかは、
「ありがとうございます。」男性店員さんに告げた。
男性店員さんは、
「ごゆっくりとお楽しみ下さいませ。」はるかに伝え、テーブルから離れていった。
木嶋は、
「はるかさん、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」はるかに問いかけていた。
はるかは、
「何ですか…聞きたいことって?」疑問心が出ていた。
木嶋は、
「自分以外にも、お付き合いしている人がいますよね?」単刀直入に聞いてみた。
はるかは、
「お付き合いしている人と言うのは、どのことを指していますか?」どうやら…付き合っている人がいる雰囲気である。
木嶋は、
「クラブ『H』からの流れの人です。」はるかに答えを求めたのであった。