第343話
木嶋が電話に出た。
「もしもし…木嶋ですが…」
「私、はるかです。木嶋さん、今どちらにいますか?」はるかが、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「まだ、家に居ますよ。これから出る準備をしようかな?と…思っています。なぜですか?」はるかに問いかけた。
はるかは、
「午後2時の待ち合わせ時間に、大幅遅れてしまいそうなので…時間を変更したいのですが…いいですか?」木嶋に伝えた。
木嶋も、
「どうしようかな…」考えあぐねていた。
「大幅に遅れるって…どれくらいなのかな?」はるかに聞いてみた。
はるかは、
「凡そ…1時間ぐらいです。」
「1時間ぐらいとは、随分…微妙な言い回しだね!」木嶋は、はるかにツッコんでいた。
はるかは、
「短大時代の友達が、恋愛の相談したいことがあると言うことなので…今、話しを聞いています。」木嶋に答えた。
木嶋は、
「恋愛ね…さすがに、自分が立ち入ることは出来ないの…話しだね。友達の相談に載った方がいいよ。」はるかに伝えた。
はるかは、
「ありがとうございます。男性が入って…【ゴチャゴチャ】するより、女性同士の方が、気さくに話し易いですよね!話しは戻りますが、待ち合わせ時間は、午後3時でいいですか?」木嶋に、再度…確認をした。
木嶋は、
「午後3時でOKです。待ち合わせ場所は、いつものコーヒーショップ『Y』でいいね。」はるかに伝えた。
はるかは、
「判りました。」と、木嶋に話し、電話を切ったのだ。
木嶋が、
「フー」とため息をついた。
近くにいた母親が、
「待ち合わせ時間…変わったのかい?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「何か…友達の相談があるらしいよ!」母親に話したのだ。
「そうなの!帰って来るのが遅くなるんじゃないのか?」母親は、心配な表情を見せていた。
「そんなに、遅くにはならないと思うよ。さて…どうやって…時間を潰そうかな!」木嶋は、母親に答えながら…一人で、ボヤくしかないのだ。
姉は、別の趣味があり…朝から出かけていて、家にいないのだ。
木嶋の優し過ぎる性格を熟知していた。
また、別の趣味が、木嶋にあるが、はるかに注意をされていた。
「これから…家を出て、本屋で立ち読みをしよう。」
思い立ったら…即、行動へ移さないと、自分自身に、嫌気がさしてしまう。
身支度を整え…
寝床にいた…父親が…
「もう…出かけるの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「待ち合わせ時間まであるが、本屋に行って立ち読みしてから横浜に向かうよ。」父親に話し、家を出て行った。
時間にゆとりがあるので、いつもより…歩くスピードがスローである。
最寄り駅に到着。
駅ビルの中にある本屋に向かった。
ここの本屋は、かなりの書籍がある。
自分が住んでいる中では、1.2を争うくらいである。
取り扱いの書籍数が少ないと、探す方から見ると…白けてしまう。
多種多彩にあると、選ぶ方も時間を掛けて選択出来る。
趣味が少ない自分としては、新しい発見をすることが出来るのだ。
本屋には、木嶋以外にもたくさんの人たちが、同じように立ち読みしている。
特に、目を引くのは、若い男女の姿であった。