第341話
三角関係ならぬ…4人の女性に顔を出さなければならないと思うと、精神的にプレッシャーを感じるようになっていた。
木嶋は、飲み歩くのは…好きではない。
無論、一人で飲みに行くほど…つまらないものはない。
飲みに行くのは、富高さんと約束事なっていた。
木嶋の携帯が、
「プルッ、プルー、プルー」鳴っていた。
携帯の画面を覗くと、麻美からであった。
「もしもし…木嶋ですが…。」
「木嶋君、お元気ですか?麻美です。最近、顔を見せないので、心配になって電話をしました。」麻美が、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「最近…仕事が暇で、財政に《ゆとり》がない。」麻美に伝えた。
麻美は、
「それだけ…景気が悪いってことかな?」
木嶋は、
「そうだね。先日…ちさとさんから電話があり、麻美さん、クラブ『U』を辞めると言う話しを聞いたよ!」麻美に答えたのだ。
麻美は、
「ちさとさんには、クラブ『U』を辞めると言いましたが、まだ、お店を出す準備が終わっていないのです。今のお店で、富高さんが、酔い潰れた姿を見てみたいです。」
これが、麻美の口癖である。
木嶋は、
「富高さんは、常々(つねづね)麻美さんの目の前で、酔い潰れてしまったら…恥ずかしいと話していたよ!」否定的な意見を述べていた。
麻美は、
「何を恥ずかしがっているのかな?」木嶋に伝えていた。
麻美は、
「その状況の中で…私は、来月に関内でお店を出します。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「来月…お店を出すの?随分…思い切ったね。《グランドオープン》の日にちは、いつなのかな?」
「まだ、流動的な部分があるので、決まり次第…木嶋君に伝えます。」麻美は、木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「連絡を下さい。」麻美に伝え、電話を切ったのだ。
玲、ちさとさんも、毎月のように…誘いが来る。
「今月は、状況が厳しい。」いつも…このように断っている。
無理もない話しである。
はるかと会えば、【コスト】が掛かる。
しかし…木嶋には、収入を増やそうと努力はしているが、仕事の増減があるのは、仕方ないことなのだ。
そんな中で、今年も…
はるかの誕生日が、もう目の前に近づいていた。
「今年も、はるかの誕生日が近いんだな!」一人で呟いていた。
最寄り駅の構内を歩いていた。
携帯が、
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴り響いていた。
木嶋が電話に出た。
「もしもし…はるかです。今、話すことは出来ますか?」はるかが、木嶋に問いかけていた。
「大丈夫ですよ!」はるかに答えた。
はるかは、
「先日…木嶋さんに、次に会うときまで考えます…と話したことを覚えていますか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「そのことは、聞いていますよ!欲しい物が見つかったのかな?」はるかに尋ねた。
はるかは、
「見つかりました。イヤリングを買いたいなっと思います。」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「イヤリング…?どこのブランドですか?」はるかに問いかけた。
はるかは、
「ジュエリー…ツツミで購入したいです。」木嶋に答えた。
木嶋は、
「はるかさんが、欲しい物ならどうぞ…」はるかの要望に応えたのだ。
はるかは、
「明日、木嶋さん…時間を取ることが出来ますか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「明日って…土曜日だよね!時間は…」はるかに尋ねた。
はるかは、
「午後2時ぐらいですが…大丈夫ですか?」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「いいですよ!待ち合わせ場所は、そのときに決めましょう!」はるかに話したのだ。
はるかは、
「分かりました。明日、連絡します!」電話を切ったのであった。