第334話
はるかは、
「木嶋さん、夏のボーナスって…出たのですか?何か…大きな買い物をしましたか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「何で…そんなことを聞くの?」はるかに答えた。
恐らく…
はるかの頭の中には…
木嶋に、何か…高価な物を買って貰おうと考えているはずである。
2人のデート中に…
ちさとさんが、割って入って来るのが…
はるかの【プライド】が許さなかった。
木嶋の携帯が…
「プルッ、プルー、プルー」と鳴り響いている。
慌てて携帯の画面を覗くと、
「ちさとさんだ!」
木嶋が電話に出た。
「もしもし…木嶋ですが…」
「ちさとです。今、木嶋さんに教えて頂いた…コーヒーショップ『Y』の前に立っています!」ちさとさんは、木嶋に告げた。
木嶋は、
「これから迎えに降りて行きます。」ちさとさんとの会話を終え、階段を降りて行く。
ちさとさんは、
「木嶋さん、お久しぶりです!」木嶋に挨拶をした。
木嶋は、
「お久しぶり。結論が出るまで時間が掛かり、申し訳ありません。」ちさとさんに、頭を下げた。
ちさとさんは、
「木嶋さんの彼女は、可愛いですかね?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「それは、何と…答えていいか?分かりません!ちさとさんが、見た判断に委ねます。」ちさとさんに話したのだ。
「外は、暑いので中に行きましょう!」ちさとさんの右手を握りながら、一緒に階段を上がって行く。
2Fに着き、木嶋は、はるかのいるテーブルに、ちさとさんを案内をした。
複雑な心境である。
はるかは、性格は、穏やかである。
ちさとさんは、明るく活発的な女性だ。
木嶋から見たら…一挙両得をしたい気分である。
現実を考えれば…
はるかを振って…ちさとさんを選ぶ勇気は、木嶋にない。
それを解決しても、会社には、憧れの人…富士松さんがいる。
富士松さんと、はるかのどちらにするかは、永遠に答えが出ない。
はるかは、
「初めまして…はるかと言います。」席から立ち上がり、ちさとさんに頭を下げた。
ちさとさんは、
「ちさとと言います。今日は、よろしくお願いします。」はるかに挨拶をした。
木嶋は、はるかと、ちさとさん…どっちに座るか?迷っている。
「自分は、こちらに座ります。」はるかの右隣りに座ったのだ。
男性店員さんが、
「いらっしゃいませ…」ちさとさんに、麦茶の入ったグラスを置き…
「こちらが、メニューになります。」メニューを渡したのだ。
男性店員さんが、木嶋が座っているテーブルから、急ぎ足で離れて行く。
木嶋の好きな番組に…
ロンドンブーツ1号、2号の番組が、テレビ朝日系で、毎週…火曜日放送されている。
それと似通っている。
【魔のトライアングル】が完成である。
ちさとさんは、
「はるかさんは、私のことを、木嶋さんから聞いているのですか?」はるかに尋ねていた。
はるかは、
「木嶋さんから聞いていますよ!」ちさとさんに伝えた。
ちさとさんは、
「麻美さんのことはご存知ですよね!」いきなり…本題を切り出してきた。
はるかは、
「麻美さんとは、自分がバイトしていたクラブ『H』で、半年間一緒に働いていました。」と答え、続けて…木嶋が、
「はるかさんと、麻美さんは、お互い…面識がありますよ!」ちさとさんに話したのだ。