第33話
木嶋から見たら、はるかは理想に近い女性かも知れない。
【自分に無いものを持っている。】
はるかが、羨ましいと思うときがあるのだ。
どちらかと言えば、麻美は、はるかに対して批判的な意見を、木嶋には、ぶつけてくる。
麻美から見たら木嶋が、
【利用されている】と感じているからこそアドバイスをするのだった。
木嶋は、
「麻美さんの意見も大切だよな…!」思うときはあるのだ。
木嶋も、
「周りが何と言おうが、自分の信念を貫かないといけないな!」人間である。
意志を通すことも大事だと感じていた。
はるかと一緒にいると、木嶋は、慣れもあるが、話しやすいと感じていた。
仕事で、どんなに疲れていても、はるかの顔を見ると癒されるのと安らぎを感じていた。
プライベートで、はるかと会う機会があるが、話している時間は、クラブ『H』に行くまでの間しかないのだ。
今の木嶋には、はるかの店に行く日を楽しみにしていた。
木嶋の携帯が、
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴り響いている。
木嶋も、仕事時間中なので出れない。
イラだっていた。
「今日は、残業しているから電話には、出れないな!」携帯の側面にあるブルーライトが光っていた。
30分ぐらい時間が経過したのだろうか!再び、木嶋の携帯の着信音が、
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴り響いている。
木嶋は、
「仕事場には、携帯を持っていくが、仕事時間中は出れないからね!」はるかに、会った時に、話したことがあったのだ。
木嶋は、はるかが、理解していると思っていた。
残業時間が終わり、木嶋は、携帯を片手に取り、はるかに電話したのだ。
「プルッ、プルー、プルー」と呼び出し音が鳴っている。
はるかが、電話に出た。
「もしもし、はるかですが…。」
「木嶋です。」
「木嶋さん、何回も電話をしたのですが、何故?出て頂けないのですか…?」はるかが、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「はるかさんに、話したと思いますよ。《仕事時間中は電話に出れない》と言いませんでしたか?」はるかに、言葉を返した。
はるかは、
「あっ…ゴメンナサイ。もしかして…残業だったのですか?」
木嶋は、
「残業でしたよ。今、仕事場からロッカールームに移動中です。」
「お疲れ様でした。今日は、今度の金曜日のことで電話をしたのですよ。」
木嶋は、悪戯ぽく
「今度の金曜日って何かあったの?」はるかに、言ったのだ。
はるかは、
「も〜、木嶋さんの意地悪。知らないからね…。」
「分かりましたよ。待ち合わせのことだよね?」はるかに、問いただした。
はるかは、
「金曜日の待ち合わせなのですが…いつも、木嶋さんと利用しているカフェレストラン『F』でいいですか?時間は、午後6時30分頃でいいですか?」木嶋に、尋ねていた。
木嶋は、
「いいですよ。富高さんには、明日、会社の昼休みに話しておきますね。カフェレストラン『F』に、男同士、中に入って待つよりも、東急ハンズに行っていますので、はるかさんが横浜駅に着いたら連絡を下さい。」はるかに話した。
はるかは、
「分かりました。そのようにして頂けますか?横浜駅に着いたら…連絡をしますね。そうすれば、スレ違いがなく会えますね。木嶋さんにも…富高さんにも…」木嶋に、伝えたのだ。
木嶋は、
「そうですよ。待ち合わせで、一番イヤなのはスレ違いですよ。」はるかに伝えた。
はるかも、理解したようで、
「分かりました。それでは、金曜日お待ちしています。」木嶋との電話を切ったのだった。
木嶋は、思ったのだ。
「はるかさん、素直で可愛いな!」
はるかの魔法に、掛かっていたのだ。
人は、好きな人が出来ると周りのことが見えなくなっていくと、木嶋は、会社の先輩方から聞いていたのだ。