第315話
「木嶋君、どっちに向かえば良いかな?」富高さんが、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「信号を渡りましょう!」
歩行者の信号が青になり、横断歩道を渡った。
右手には、関内駅。
「そうしたら…今度は、左ですね!」木嶋は、富高さんに告げた。
歩いていると…
大通りの交差点に出た。
「木嶋君、いつもの道じゃないの?」富高さんが、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「そうです。いつもの道ですよ。」富高さんに答えたのだ。
大通りの横断歩道を渡っていた。
今日は、夜になっても、蒸し暑く感じている。
先ほどまでいた…ラーメン店は、クーラーが効いていて…寒すぎるぐらいであった。
都心部は…
《アスファルト舗装》ど《ビルが乱立》…。
《ヒートアイランド現象》の影響で、熱帯夜で、気温が下がりにくくなっている。
歩けば…歩くほど…汗が滲み出てくる。
「木嶋君、先ほどの店で、ビールを飲んだのに…汗をかいているから、酔いが冷めてしまいそうだよ!」富高さんが苦笑いしながら、木嶋に話していた。
木嶋は、
「本当だね!自分も、汗が出てきています。リュックを背負っているので、背中の汗も滴り落ちています。」富高さんに答えたのだ。
富高さんは、
「麻美さんの店に着いたら、また、ビールで乾杯しようか?」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「いいね!」と、右手でOKサインを出し…
両手で、頬っぺたを触ると、赤くなっているのが分かった。
「次の信号を、右に曲がります!」木嶋は、富高さんに伝えた。
富高さんは、
「了解しました!」右手を上げ、木嶋に応えていた。
この辺りでは、一番、大きいビルの前に立っていた。
木嶋は、ビルのネオンを見上げ…
「クラブ『U』は…あった。7Fだ。」
「富高さん、エレベーターに乗りますよ!」富高さんに伝えた。
エレベーターの中は、冷房が効いているが…
短時間では、汗がひかない。
木嶋は、
「富高さん、夏風邪をひかないようにしないと…」富高さんに声をかけた。
富高さんも、
「そうだね!夏風邪は、長引くからね。」木嶋に伝えたのだ。
エレベーターが、7Fに着いた。
目の前のドアを開ける前に…
「富高さん、いいかな?」木嶋は、富高さんに問いかけた。
富高さんは、
「なんか…心臓が《ドキドキ》しているよ!」木嶋に答えたのだ。
【ガチャ】ドアを開けた。
《いらっしゃいませ!》女性スタッフの声が聞こえてきた。
「木嶋君、いらっしゃい…」麻美が、木嶋を笑顔で出迎えた。
「あっ…富高さんも一緒だったの?」驚いた様子で、富高さんに声を掛けた。
「麻美さん、お久しぶりです!」富高さんが、麻美に挨拶をした。
「こちらに…どうぞ。」麻美が、木嶋と富高さんを、エスコートした。
一番奥案内された。
テーブルの上には…
【予約席】のカードが置いてあった。
それを見た瞬間…
【ズルッ】と、コケていた。
「木嶋君、どちらに座る?」富高さんが、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「自分は、奥に行きます!富高さんは、出入りするのに近い方がいいよね?」富高さんに尋ねていた。
富高さんは、
「そうしてくれると、嬉しいね!」木嶋に答えた。
木嶋と、富高さんが、座席に座った。
麻美が、木嶋と富高さんに、
「いらっしゃいませと、オシボリを…」手渡したのだ。