第314話
木嶋は、
「今、腹ごしらえしてから…向かいますので、もうチョットだけ…お待ち下さい!」麻美に伝えた。
麻美は、
「麒麟のように、首が長くなって待ち焦がれています!」木嶋に告げ、電話を切ったのだ。
富高さんは、
「木嶋君、役者だね!」木嶋に告げた。
木嶋は、
「役者じゃありませんよ!トボケたのです。最初から、答えを話したら…面白くない!そう…富高さん、思いませんか?」富高さんに尋ねたのであった。
富高さんも、首を縦に降っていた。
女性店員さんが、
「お待たせしました。瓶ビールです。」木嶋のテーブルに置いた。
木嶋は、栓抜きで…瓶ビールの栓を
「スポッ…と」抜いた。
「夏は、キンキンに冷えている…瓶ビールがいいよね!」富高さんが、木嶋に話しながら、グラスにビールを注ぐ。
木嶋は、
「そうだね。富高さんは、普段から缶ビールを飲んでいるから…こういう場所では、瓶ビールを飲みたくなるよね!」富高さんに答えたのだ。
富高さんは、ビール党である。
木嶋も、最初の乾杯は、ビールである。
日本には、ビール会社は、4社あり…
【キリン】、【アサヒ】、【サントリー】、【サッポロ】である。
居酒屋で扱っている…ビール会社は、
【アサヒ】、【サッポロ】が多い。
富高さんが、帰り道に飲むビールは、
【アサヒ】である。
ここのラーメン店は、
【キリン】の一番搾りである。
最近のビール業界のシェア争いは、【キリン】と【アサヒ】で、熾烈を極めている。
消費者の観点から見ると、好ましいと思う。
家では、ビールを飲まない木嶋も、雰囲気で飲みたくなってくる。
瓶ビールの本数が増えていくと、麻美のクラブ『U』に行くのが、嫌になってしまう。
一度、気持ちが萎えてしまうと…
奮い立たせるのが大変である。
女性店員さんが、
「味噌ラーメン、餃子…お待たせしました。」木嶋のテーブルに持ってきた。
木嶋は、目の前にいる富高さんへ右手を出した。
女性店員さんが、気づいて置いたのだ。
続いて…
「炒飯、餃子…お待たせしました。」木嶋の元に置き、
「ご注文は、以上でお揃いでしょうか?」富高さんに尋ね…
富高さんが、
「あっ…OKです!」女性店員さんに話し…
女性店員さんが、
「ごゆっくりどうぞ。」伝票をテーブルに置き、その場を離れていく。
木嶋は、
「地元に、同じラーメン店があるんだ!」富高さんに話したのだ。
富高さんは、
「このラーメン店は、チェーン店なんだね!」木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「そうみたい。今は、チェーン店が優勢だよ。個人の店が生き残るのは、並大抵な苦労だよ。」富高さんに答えた。
「競争が、どこも激しいね!」富高さんが、ポツリと呟いた。
木嶋は、頷くしかなかった。
富高さんは、
味噌ラーメンを啜り…ビールを美味そうに飲んでいた。
木嶋は、
炒飯を食べながら、スープを飲み、餃子を食べたのだ。
「この時期のビールは、美味いね!」木嶋が話したのだ。
富高さんも、食べ終わり、木嶋も、同じくらいに食べ終わった。
木嶋が、
「富高さん、そろそろ…麻美さんの店に向かいますか?」富高さんに聞いたのだ。
富高さんは、
「そうだね!行こうか!」木嶋に話し、伝票を持ち席を立った。