第308話
今どきの若手とは…
黒髪を金髪に染め…作業ズボンを腰の近くまで下げて仕事をしていた。
木嶋には、その光景が決して良いこと物ではない。
日本人は、黒髪が普通である。
髪を染めるのは、抵抗を感じている。
今は、染料の技術革新により…
良い商品が開発され、市場に出回っている。
木嶋が、10代の頃に付き合っていた彼女は、身長が若干高く、手先も器用で、《イヤリング》や《ピアス》をしていた。
はるかも、手先が器用かも知れないが、料理をしている姿を想像出来ないのであった。
藤川さんが、木嶋を、上田原さんのいる作業エリアに案内した。
「上田原さん、初めまして…木嶋と言います。」木嶋は、上田原さんに挨拶をした。
上田原さんは、
「木嶋さん…ですか?初めまして…」作業していた手を止め、木嶋に会釈で返した。
木嶋は、
「上田原さん、大貫さんから話しを聞いているかな?」上田原さんに尋ねていた。
上田原さんは、
「大貫さんから話しを伺いました。」木嶋に答えたのだ。
大貫さんと、上田原さんは、上司と部下の関係である。
企業風土にも依るが…
上司の指示…
【トップダウン】
相手の意見を聞く…
【ボトムアップ】
木嶋たちの会社は、どちらかと言うと…
【ボトムアップ】だと思っている。
【トップダウン】は、社長が、【カリスマ】でないと厳しいと感じていた。
「引き受けて戴けるんだよね?」木嶋は、上田原さんに問いかけた。
上田原さんは、
「はい。やらせて下さいと…大貫さんに伝えました。自分も、文体行事の企画、立案をした経験がないので、チャレンジしたいと思います。分からないことは、木嶋さんに、教えて戴かないと…!」木嶋に話していた。
木嶋は、
「自分も、文体行事の企画、立案をした経験がないから…最初は、手探りの《スタート》になってしまうが…いいかな?」上田原さんに告げた。
上田原さんは、
「最初から、完璧に…出来る人はいません!手探りでも仕方ないですよ!」木嶋に伝えた。
その一言で、胸の奥に、張り詰めていた緊張感が解れ…安堵の表情を浮かべた。
木嶋は、
「来月になったら…顔合わせをやるので、そのときは…よろしく!」上田原さんに話したのだ。
上田原さんは、
「分かりました。木嶋さん、また、連絡を下さい。」木嶋に伝え、作業エリアに戻って行った。
木嶋は、先入観で、人を判断はしていけないと、このときに、気づいたのだ。
今度の文体メンバーは、初対面の人が多い。
知っている人と言えば…田港さんしかいないのだ。
田港さんばかりに…頼ってしまうと、他のメンバーが《シラケて》しまう。
みんなに、気を遣わないといけないのである。
木嶋は、
「藤川さん、ありがとうございました。」藤川さんに、頭を下げ…その場を離れて行く。
最終工程から、大貫さんの元に向かった。
大貫さんは、まだ、パソコンの前で、入力業務をしていた。
「大貫さん、今、上田原さんに挨拶をして来ました。」木嶋は、大貫さんに伝えた。
大貫さんは、
「木嶋は、第一印象どう…感じた?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「今の時代の若者って…ボヤきたくなるね!雰囲気としては良かったよ!」大貫さんに答えたのであった。