第305話
田港さんが、木嶋の職場で待っていた。
木嶋は、
「田港さん、待たせたかな?」田港さんに声をかけた。
田港さんは、
「今、着いたばかりだよ!」木嶋に答えていた。
木嶋は、【ホッ…】と胸を撫で下ろし…
「昨日の話しの答えに、変化はないな?」田港さんに問いかけていた。
「うん。大丈夫。先輩の頼みだから…断れないよ!」田港さんが、木嶋に伝えたのだ。
木嶋が、
「ありがとう。田港さん、これから一緒に行く場所があるからついて来てほしい!」田港さんを説得した。
田港さんは、不安になりながらも、
「どこに行くのだろう?」木嶋のあとを歩いていた。
木嶋が向かった先は、大貫さんの職場であった。
「大貫さん、自分の夜間高校の後輩…田港さんです。」木嶋が、大貫さんに田港さんを紹介していた。
大貫さんも、田港さんと会うのが、これが初めてである。
「木嶋、学校の後輩を連れて来て…どうしたんだ?」大貫さんが、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「田港さんは、来期、自分と文体をやります。」大貫さんに伝えたのだ。
大貫さんは、
「田港って…紹介されたが、職場はどこなんだ?」田港さんに聞いていた。
田港さんは、
「燃料タンク班です。」大貫さんに答えた。
大貫さんは、
「燃料タンク班か…?文体行事に参加したことがあるか?」田港さんに聞いていた。
田港さんは、
「今まで、一度もないですよ!」
「大丈夫か?」大貫さんが、真剣な眼差しで、田港さんに伝えた。
木嶋は、
「大丈夫だと思います!」大貫さんに太鼓判を押した。
大貫さんは、
「木嶋が、そう話すなら信じるよ!田港、よろしくな!あとは、任せたぞ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「ありがとうございます。」大貫さんに、感謝の言葉をかけ…田港さんと一緒に職場をあとにした。
木嶋は、田港さんの職場へ一緒に歩いて行く。
「先輩。大貫さんは、組合の役員なの?」田港さんは、木嶋に問いかけた。
木嶋は、
「組合の文体担当役員だよ!何で…?」田港さんに聞いていた。
田港さんは、
「何か…怖い印象だよ!」
「田港さんが、そう感じるのも無理はないか…!大貫さんは、仕事には厳しいよ。」木嶋は、田港さんを諭すように話していた。
「文体メンバーは、全員で何人なの?」
「事務所の人が3人、現場の人が3人の合計6人だよ!」木嶋が、田港さんに話したのだ。
田港さんは、驚いた口調で…
「えっ…6人もいるの?」木嶋に尋ねたのだ。
木嶋は、
「組合の規模で、この人数が適正か?どうかは分からない。多すぎても、自分では、まとめきれないよ!」偽ざる本音が出ていた。
「そうだよね!自分たちがいた夜間高校は、人数が、一学年上がるたびに、減って行くから…先輩の気持ちも理解が出来るよ!」田港さんは、木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「結果は、あとから着いてくるからね!悪かったら…リーダーの自分が責任を負えばいい!」田港さんに伝えたのだ。
田港さんは、
「先輩…頑張ろうね!」木嶋を勇気づけた。
背中を押された木嶋は、
「お互い、頑張ろう!初会合の日にちが分かり次第…田港さんに連絡をします。」田港さんに報告した。
田港さんは、
「連絡を待っているね!」木嶋と別れ、職場に戻って行った。