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第301話

木嶋は、悶々(もんもん)とした毎日を送っていた。

それは、自分自身の決断力けつだんりょくのなさに…あらわれていた。

「はるかを取るか?富士松さんを取るか?」

永久えいきゅうに結論が出ない。

《はるかには、はるかなりの良いところがあり…》

《富士松さんには、富士松さんなりの良いところがある。》

一番、警戒をしているのは、どちらにも、本命がいたら…

木嶋の『ショック』ははかり知れないと思う。

現実で言えば、富士松さんが…

【スタイル抜群ばつぐん何故、結婚しないのだろう?】

木嶋に分かるはずもない。

夏になり、大貫さんが、木嶋の元に歩いてきた。

「木嶋、組合の文体リーダーをやって頂けないか?」

木嶋は、驚きながらも…

「えっ…文体リーダーですか?」大貫さんに問いかけながらも…

「引き受ける人がいなかったら…いいですよ!」大貫さんに伝えた。

大貫さんは、

「そのときは、頼むよ!」木嶋に話し、その場を離れていく。

木嶋は、この2週間前に、夢の中で、

「組合の文体リーダーの話しを引き受けてくれ…」

「まさか…自分に、そんな話しがあるわけない。」と、たかくくっていた。

本来なら、引き受けるべきではないのかも知れない。

心の中で…葛藤かっとうが始まっていた。

今、引き受けても…

【貧乏クジ】を引いた気分になりそうである。

木嶋のポリシーに…

《引き受けるのが…人の道》そう…考えていた。

過去に、職場の代議員を何回か…引き受けたことはあるが、

文体行事に、ここ数年…1年に1回ぐらいしか参加をしていないのが…不安な気持ちにさせてしまう。

職場の先輩や同僚の人たちと、飲む機会は多い。

逆に言えば、富士松さんと、会話も出来ない木嶋が、富士松さんと会話をするチャンスである。

また、会社の若い女性社員たちと交流もなければ、会話すらしたことがないのも、欠点である。

数日して、大貫さんが、再び、木嶋の元に歩いてきた。

「木嶋、9月から文体をまとめてほしい。」

木嶋は、

「分かりました。メンバーは何人までいいのですか?」大貫さんに問いかけていた。

大貫さんは、

「木嶋を入れて…6人。」木嶋に答えたのだ。

木嶋は、

「自分は、若い女性社員を知りません。駄目元だめもとで良いので、富士松さんに、オファーを出して戴けないでしょうか?」大貫さんに頼んだのであった。

大貫さんは、

「分かった。もし、ダメだったら、自分たちに、人選じんせんは、一任いちにんしてくれるか?」木嶋に聞いていた。

木嶋は、

「分かりました。」と、大貫さんに答えたのだ。

大貫さんは、

「今、現在で1人…決まっている!」木嶋に伝えたのだ。

木嶋は、

「誰ですか…?」大貫さんに問いかけていた。

「事務所で、糸魚川だ。」大貫さんが、木嶋に答えていた。

「糸魚川さんって…そんな名前の人は…いましたか?」木嶋が、大貫さんに聞いていた。

大貫さんは、

「木嶋の目の前にいるよ!」木嶋は、自分の目を疑った。

「木嶋さん、自分が糸魚川です!」元気な声で、木嶋に挨拶をしていた。

木嶋は、

「木嶋と言います。宜しくお願いします!」糸魚川さんに挨拶をした。

続けて…

「大貫さん、1人…自分の夜間高校の後輩をスカウトしていいですか?」大貫さんに問いかけていた。

大貫さんは、

早急そうきゅうに…結論を出して…。」木嶋に話し、その場から離れたのだ。

その日の夕方…仕事を終えて、会社のバスに乗車した。

すると…メールの着信音が聞こえていた。

「誰だろう…?」

不安な表情で、メールを読んだ。

はるかからであった。


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