第30話
木嶋は、
はるかのクラブ『H』を ホームグランドにしていた。
麻美のクラブ『P』、玲がいるクラブ『O』の3カ所、定期的に顔を出していたのだ。
「麻美さんが、クラブ『P』を辞めるような気がする!」そんな胸騒ぎがしたのだ。
木嶋の予感は的中する。
木嶋の携帯が、
「プルッ、プルー、プルー」と鳴り響いた。
麻美からのメールだった。
木嶋は、携帯の画面を見た。
「今月いっぱいで、クラブ『P』を辞めます。」と携帯にメールが来た。
その内容のメールを確認した木嶋は、麻美にメールしたのだ。
「麻美さん、今月いっぱいで、クラブ『P』を辞めるの?」とメールを返したのだ。
麻美は、
「お店の雰囲気に馴染めないの!木嶋君、今月中に、クラブ『P』来ることは出来ませんか?」木嶋に、返してきた。
木嶋は、
「今月中ね〜。行くとも行かないとも言えません。クラブ『P』を辞めるのはいいけど、年齢的に厳しいんじゃないのかな?富高さんに言われるよ。《自分が、麻美さんの店に行くたびに辞めてしまう。》ってね」麻美に、メールをした。
麻美は、
「富高さんが悪いのではないのですよ。関内にいる知り合いが、他のお店を紹介してくれると言うので、そちらに行こうと考えています。」木嶋に、メールで話していたのだ。
木嶋は、
「富高さんには、麻美さんのことを話しておきますよ。新しいお店の名前と場所をを教えて下さい。」麻美に、メール返信したのだ。
麻美は、
「分かりました。」と木嶋に、メールしたのだ。
木嶋は、麻美とのメールをしたあとに、玲に電話した。
「お久しぶりです。」
木嶋が、玲に挨拶した。
玲は、
「お久しぶり。木嶋君、元気にしていた?」
木嶋は、
「元気だよ。今日は、麻美さんのことで電話したんだ。」
玲は、
「麻美さんのこと?もしかして、クラブ『P』を辞めることかな?」木嶋に、尋ねた。
木嶋は、
「そうだよ。何で?クラブ『P』を辞めるんだろうと思ってね。玲さん、何か理由を聞いているかな?」玲に、聞いていた。
玲は、
「私には、理由は話していなかったよ。麻美さんには考えがあるんじゃないの?」
木嶋は、
「辞めるのは、いいんだが麻美さんが新しい所に行くたびに、動くのは大変だよ。」玲に、ボヤいた。
玲は、
「そうだよね。木嶋君は、麻美さんのお客さんだからね。また、近いうちにクラブ『O』来て下さい。私は、当分の間、動く予定がないから富高さんと遊びに来てね!」木嶋に、話したのだった。
木嶋は、
「会社に行ったら、富高さんに、玲さんのことは話しますね。」玲に、伝えて電話を切ったのだ。
木嶋は、翌日、富高さんの元に歩いて行ったのだ。
麻美がクラブ『P』を、今月いっぱいで辞める話しをしたのだ。
富高さんは、驚いていた。
「木嶋君、自分が麻美さんの店に行くたびに辞めているよね。自分が、行かない方がいいんじゃないの?《ジンクス》みたいで嫌だよ。」木嶋に、話したのだ。
木嶋は、
「確かに、それは否定も肯定も出来ないよね。麻美さんも、そのことに関しては気にしていたよ。あまり移動しないでほしいとお願いもしたよ!無理だろうと思うよ。玲さんが、クラブ『O』に遊びに来てと話していたんだよね。麻美さんのクラブ『P』は、どうでもいいよ。玲さんのクラブ『O』に行こうよ。」富高さんに、話したのだ。
富高さんは、
「それは、いい考え方だよね。じゃあ、行こうか!玲さんのクラブ『O』へ。」木嶋に、伝えたのだ。
木嶋は、
「今日、明日ぐらいに連絡を取ります。日にちに関しては、後日、相談すると言うことでいいですか?」富高さんに、問い掛けた。
富高さんは、
「それでいいよ。」OKサインを木嶋に出したのだった。
木嶋は、
「富高さんに話して良かった!」と、安堵の表情を浮かべ、富高さんの元を離れて行ったのだった。
ホッとしたのも、束の間の休息に過ぎなかったのだ。
木嶋の携帯が、
「ピローン、ピローン、ピローン」と鳴り響く。はるか専用の着信音が鳴り響いていた。
木嶋が、携帯に出た。
「もしもし、木嶋ですが…。」
「はるかです。お久しぶりです。元気にしていましたか?」木嶋に、尋ねていた。
木嶋は、
「元気ですよ。はるかさんの声を聞いたら、もっと元気になりましたよ。」はるかに、話したのだ。
はるかは、
「随分、嬉しいことを言ってくれますね!木嶋さん、今月、クラブ『H』に来て戴くことは出来ませんか?」木嶋に、問い掛けた。
木嶋は、
「先ほど、富高さんに、クラブ『O』に行こうと話したばかりなんだよね。」はるかに、言葉を返したのだった。
はるかは、
「クラブ『O』ではなくて、クラブ『H』にして下さい。お願いします。」木嶋に、嘆願したのだ。
木嶋も、はるかから、言われたら心が【グラグラ】と揺れ動いていた。
玲には、クラブ『O』に行く日にちを話していないのが良かったのだ。
木嶋は、クラブ『H』に行くことを決断したのだった。