第281話
女性スタッフが、麻美にメニューを渡した。
それを、麻美から木嶋が受け取り…メニューを広げていた。
富高さんは、さゆりさんと…小室さんは、みゆきさんとの話しに夢中になっていた。
「麻美さん、食べたい物がないね!」麻美にボヤいていた。
麻美は、
「木嶋君…ゴメンね!いいのがなくて…フライドポテトなんかどうかな?」木嶋に答えたのだ。
木嶋は、
「フライドポテトね!はるかさんと一緒にいるとよく食べるよ。どの店に行っても、フライドポテトを頼んでいる確率が高いよ!」麻美に話していた。
麻美は、
「そうなの?はるかさん…フライドポテトが好きなの?」木嶋に問いかけていた。
「好きとか嫌いの問題じゃないと思うね!短時間に調理が出来るからではないのかな?」木嶋は、麻美に答えていた。
「そうかもね!じゃあ…フライドポテトでいいかな?あとは…いいの?」
木嶋は、
「あとは…漬け物があるといいね?」麻美に問いかけていた。
麻美は、
「漬け物は盛り合わせでいいかな?あとは…どうする?」木嶋に聞いていた。
「あとは、腹に溜まる物がいいね!焼きそばとかあるの」木嶋は、麻美に話したのだ。
麻美は、
「焼きそばね!小皿もあった方がいいね!」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「そうね!小皿があれば…みんなで、焼きそばを小分けが出来るよね!自分が、今、オーダーしたいのは…3品でいいよ!富高さん、小室さんが他に…オーダーがあったら声を掛けます!」木嶋は、麻美に話したのだ。
麻美は、右手を上げ、近くにいた女性スタッフを呼んだ!
「フライドポテトと漬け物の盛り合わせ、焼きそばね!フライドポテトには、《ケチャップ》も忘れないように…」
女性スタッフは、
「畏まりました。」麻美に答えたのだ。
麻美は、
「木嶋君、はるかさんと別れたんだよね!」木嶋に、本題を切り込んできた。
木嶋は、
「別れ…たよ!」歯切れが悪い。
それに気づいた麻美は…
「まさか…また、交際しているんじゃないの?」木嶋に問い詰めていた。
木嶋は、
「そう…その…まさかなんだ!」麻美に答えた。
その言葉を聞いた…麻美は、
「えっ」驚いた表情で木嶋の方に振り向いた。
木嶋は、麻美のクラブ『U』に来る前に、富高さんに…はるかと交際を再び始めたことは話していた。
麻美に取っては、はるかは、【目の上のタンコブ】同然。
【はるかから、木嶋を奪い取れば…】麻美にそんな気持ちがあるのは判っていた。
木嶋も、
【それに応えたい。】
だが…はるかがいると…木嶋は、そちらに流れてしまう。
木嶋は、はるかも、麻美も大切にしたい。
【一挙両得】(いっきょりょうとく)したい。
いつかは、選択しないといけないが、今、一緒に過ごしたい時間は、はるかなのだ。
富士松さんのことも、気になっている。
本音を言えば、富士松さんを彼女にしたい。
クラブ『U』で飲んでいるので、会社の女性社員の名前を出すのは、麻美の立場では、回答を引き出すのは難しい!
木嶋は、
「麻美さん、一度、はるかさんから別れの留守電が入っていたのですが、数日後に、電話があり…留守電は間違いであると…再び、交際して欲しいと…!」麻美に答えたのだ。
麻美は、
「それで、また、交際しているの?木嶋君、少し…非情にならないと…。」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「麻美さんは、非情になれても、自分は、なれないよ!」麻美に伝えたのだ。
麻美は、
「木嶋君らしいね!はるかさんが、好きになったのは、その《優しさ!》羨ましい!」木嶋に賛辞を贈ったのであった。