第265話
「何だ…木嶋も、大森も、残業か!マイッタね…富高は…残業なのか?」小室さんは、富高さんに尋ねていた。
富高さんは、
「自分は、毎週、金曜日は、5時で上がっているので、大丈夫ですよ!」小室さんに伝えたのだ。
「分かりました。富高、先に行って飲んでようか?」小室さんは、富高さんに話し、
「そうですね〜。そうした方がいいかも知れませんね!」富高さんは、小室さんに同意を得るような答え方をしていた。
小室さんの決断待ちである。
「よし、決めたぞ。午後5時15分のバスで乗って帰りましょう。飲みに行く場所は、いつもの焼き鳥屋ではなく…おでん屋にしよう。木嶋、おでん屋?判るか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「判りますよ。会社の最寄り駅から、歩いて5分も掛かりませんよ。」小室さんに答えていた。
木嶋の左横で話しを聞いていた大森さんがは、
「木嶋君、おでん屋さんって…『S』だよね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「そう…『S』ですよ。小室さんの話している…おでん屋は…」大森さんに話したのだ。
大森さんは、
「今の時期なら、おでんでもいいよね!味も、店に依って違いがあるが…みんなで食べるのに最高だね!」木嶋に答えたのだ。
小室さんは、
「大森が言っている通りだよ。『S』のおでんは、味が、染みていて、地酒も豊富にあるから、よく…この時期、会社の帰りに寄って行くんだ。木嶋も、場所を知っているから安心だ。仕事が、早く終わったら合流する形でいいか?」大森さんと、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「もちろんです。自分が、早く終わる確率は少ないと思われるのですが…」苦笑いを浮かべながら…小室さんに答えていた。
大森さんも、
「自分も、そのつもりで、仕事を早く切り上げるように努力しますよ!」小室さんに話していた。
富高さんは、
「木嶋君、大森君、おでん屋『S』で、小室さんと、『ノミニケーション』をしながらお待ちしてます。」木嶋と、大森さんに伝え、
「小室さん、それでは…後ほど…」小室さんに話し、職場に戻って行った。
木嶋と、大森さんも、
「小室さん、自分たちも、職場に戻ります。」小室さんのいる休憩所から離れて行く。
大森さんは、
「木嶋君、三谷さんのことを…小室さんに話さなくて良かったの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「三谷さんのことは、午前の休み時間に伝えたよ。」大森さんに伝えたのだ。
大森さんは、
「それならいいんだ!小室さんも、敢えて話しをしなかったのかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「恐らく…そうだと思うよ。大森さん、また、後で…。」大森さんに話し、職場に戻って行った。
昼休み終了のチャイムが、
「キーン、コーン、カーン、コーン」鳴っている。
「あと半日、少し…時間が長いが、頑張ろう。」木嶋は、自分自身に鼓舞した。
大体、仕事が終わるメドが付くのは、午後の休憩時間前後に分かるのだ。
溝越さんが、木嶋の元に歩いてきた。
「木嶋…今日は、何時まで残って行くんだ。」木嶋に問いかけていた。
今日は、三谷さんが、5時で帰るので、
「一人ですからね。午後7時までの申請をして戴きたい。」溝越さんに、木嶋は答えていた。
溝越さんは、
「三谷は、出来ないのか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「三谷さんは、予定があると話していたので、残業は出来ないと思います。」溝越さんに話したのであった。
溝越さんは、
「木嶋、一人で大丈夫か?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、不安げな表情を見せながらも…
「大丈夫です。」と、答えるしかなかったのだ。