第264話
昼食を終えた木嶋は…
富高さんがいる職場に歩き出していた。
木嶋は、
「富高さん、今、大丈夫ですか?」シートに座っている…富高さんに声を掛けた。
富高さんは、
「木嶋君、今日だよね…小室さんの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「小室さんを囲む会は、今日ですが、大丈夫ですか?」富高さんに聞いていた。
富高さんは、
「うん。参加するよ。木嶋君も、当然、来るよね?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「行きますが…残業で、出遅れそうです。そのことを含めて…これから、小室さんや、大森さんにも話しをしないと…」言葉に歯切れが悪かった。
続けざまに…
「自分と一緒に、小室さんの職場に行きませんか?」
富高さんは、
「うん。いいよ。待ち合わせのことなども、小室さんに聞かないといけないからね。」木嶋に話し、
座っていたシートから立ち上がり…
木嶋と一緒に、小室さんの職場に歩いて行く。
「大森さんにも、小室さんの職場に向かうように、電話をするから…チョット待ってて…」木嶋は、富高さんに伝えたのだ。
作業服の左ポケットから、携帯を取り出した。
着信履歴から、大森さんの携帯番号を探していた。
木嶋は良く…大森さんの携帯に、悪戯メールを送っていた。
大森さんは、
《ハッキリ》したことは言わないが…
自分に、都合が悪いと…口篭ってしまう。
木嶋の予感は、《同棲》をしている可能性があるのだ。
また、木嶋と、大森さんは、同じ携帯電話会社のため、通話料が安くなるのであった。
「メールの着信履歴がないな!電話帳から探そう。」
大森さんだから…
【あ行】の列を探せばいいのである。
「大森…大森…あった。呼び出そう。」
携帯番号を発信した。
「プルッ、プルー、プルー」呼び出ししている。
「もしもし、大森ですが…」大森さんが、電話に出た。
「木嶋です。富高さんと一緒に、小室さんの職場に向かっているので、大森さんも来ませんか?」木嶋は、大森さんに問いかけていた。
大森さんは、
「了解しました。」すんなりOKを出したのだ。
「大森さんが、すんなりOKを出したときは、不安が募って怖い。」木嶋は、疑心暗鬼になるのも不思議ではない。
富高さんは、
「大森君も、残業の可能性が高いんじゃないの?」木嶋に話していた。
木嶋も、
「案外、富高さんが、言う通り《ビンゴ》だったりしてね!」富高さんに答えたのだ。
富高さんの答えが、現実になるとは…
このときは、分からずにいた。
今、【タイムマシーン】があれば…
1日先、2日先、1年先、2年先、5年先を観てみたいものである。
木嶋のお嫁さんになる人は、
『はるか…』なのか?
『富士松さん…』なのか?
『その他の人』なのか?
この両方の目で、焼き付けたいのだ。
神しか知らない世界である。
大森さん、富高さん、木嶋と…男同士で会社の通路を歩く姿は、異様な光景である。
小室さんのいる職場の休憩所に辿り着いた。
「小室さん、2人を連れて来ました。」木嶋は、小室さんに話したのだ。
小室さんは、
「おっ…富高に、大森か…悪いね!足を運ばせて…今日は、2人は残業か?」大森さんと、富高さんに尋ねていた。
富高さんは、
「自分は、5時で終わります!木嶋君と大森君はどうなのかな?」木嶋と、大森さんに問いかけていた。
木嶋は、
「残業です!」ため息まじりに、富高さんに答えていた。
大森さんも、
「残業ですよ!」小室さんに話したのであった。