第26話
木嶋とりん、富高さんは、麻美が長く続くことを祈っていた。
木嶋は、
「本当に、クラブ『P』に長くいるのだろうか?」半信半疑であった。
りんは、少し表情が冴えない木嶋に声を掛けた。
「木嶋さん、どうなされたのですか?」
木嶋は、
「麻美さんのことを考えていたんだ。ここに、長くいることが出来るのかってね!」りんに、話したのだ。
りんは、
「麻美さんのことは、麻美さん自身が考えるのであって木嶋さんが悩んでいても仕方ないので、今日は、パァーと飲みましょう。」木嶋に、問い掛けていた。
木嶋も、明るいりんに促されて、
「それもそうだね。悩んでいても仕方ないか!パァーと飲みましょう。」りんに、話し飲み始めたのだった。
木嶋の左隣りにいる富高さんは、麻美と話していて盛り上がっていたのだった。
りんは、木嶋に問い掛けた。
「木嶋さん、彼女はいるのですか?」
「彼女と言うより、仲の良い女友達ならいますよ。前に、麻美さんがいた店の女性ですけどね。」りんに、話していた。
りんは、
「麻美さんは、横浜西口のクラブ『H』にいたんですよね。そのクラブ『H』の女性ですか?」木嶋に、聞いていた。
木嶋は、
「そうです。クラブ『H』の女性ですよ。」
りんは、
「可愛いですか?」
木嶋は、
「はるかさんは、可愛いかね?」左隣りに座っていた富高さんと麻美に聞いていた。
富高さんは、
「自分は、1回しか会ったことがないですけど可愛いと思いますよ。麻美さんも、そうですよね。」麻美に、問い掛けていた。
麻美は、
「木嶋君が付き合っている、はるかさんは、可愛いですよ。若いからわがままじゃないかな?と思うよ。実際のところは、木嶋君が一番、分かるはずですよ。」木嶋に、話していた。
木嶋は、
「麻美さんが話している通りです。若いからブランド品に目がないのは、事実ですね。自分的に言えば少し年齢が離れた妹だと思っていますよ。プライベートで一緒にいる時間は、余りないけどね。」りんに、話していた。
りんは、
「はるかさんと言う女性は、いくつぐらいですか?」木嶋に、尋ねた。
木嶋は、
「はるかさんは、確か…まだ、10代後半。」りんに、話した。
りんは、
「え〜、そんなに若いの…20代前半ぐらいと思っていたよ。」驚きを隠せずにいた。
木嶋は、
「そうかな?そんなに驚くことでもないと思うよ。」りんに、話した。
りんは、
「若いからブランド品に目がないのは分かります。気をつけないと高額な物を要求されますよ。」木嶋に伝えたのだ。
「自分には、姉が若いときにブランド品を良く買っていたからね。一時のブームだと思うよ。」木嶋は、りんに話していた。
「木嶋君が、そこまで理解をしているならいいけどね。付き合っている期間はどれくらいなのかな?」りんは、木嶋に聞いた。
木嶋は、
「付き合っていると言うより友達付き合いですから期間は、まだ半年もいかないでしょう。出会ったのは、去年の11月ですよ。」りんに、話したのだった。
りんは、
「まだ、半年も経たないんだね。私も頑張れば友達になれるのかな?」
木嶋は、
「頑張ればなれると思うよ。」りんに、話したのだ。
「じゃあ、私も頑張ろう。」りんは、高らかに宣言した。
木嶋は、りんの左隣りで苦笑いをしたのだった。 りんが、席を立ち、トイレに行ったのだ。木嶋は、その時間を利用して思いに更けていた。
りんは、ハキハキした性格であった。今の木嶋は、色んなタイプの女性と出会う機会が多くなっているが、頭の中は、『はるか』の存在が大きくなっているのも事実である。
木嶋は、『麻美』とは、友達の付き合い。『玲』は、高校時代の同級生、『りん』とどのようにして接していけば良いか。
「いくらなんでも、3店舗を梯子するのは難しい。何処を拠点したらいいんだろう?やっぱり横浜かなぁ〜。」頭を捻りながら、悩んでしまったのだ。
「今、結論を出すよりもみんなの店に行った時に有意義に過ごそう。」木嶋は、そう思ったのだ。
りんが、トイレから戻って来て、木嶋に、
「何か良いことでもあったの?彼女から連絡が入ったのかな?」木嶋に、突っ込みを入れた。
木嶋は、
「連絡はないよ。今日は、麻美さんの店に、行く話しはしてあります。」りんに、言葉を返したのだった。
りんは、
「はるかさんは、理解をしているんだね。木嶋君が、麻美さんの店に行くことを…。」木嶋に、聞いたのだ。
木嶋は、
「いきなり電話が来て、『今日、店に来れない?』って言われるよりはいいですよ。麻美さんとの約束もありますからね。」りんに、話したのだった。