第258話
手帳をパラパラとめくり…悩んでいた。
「いつにしようかな…?今月は…28日までしかない。来月にしたほうがいいかな!」
結論が出た。
先ほどの受信メールボックスから、玲のメールアドレスを呼び出した。
「玲さん、予定を手帳で確認して検討したのですが、現時点で、3月にしようと思っています。それでいいでしょうか?」メールを送信した。
右手に持っていた手帳を、リュックの中に入れ、電気を消し、布団をかけ眠りについた。
一夜明け…
木嶋は、携帯の側面を覗いた。
メールの着信を知らせる…サインが点灯していた。
「電車の中で、メールを読もう。」
布団から出て、テーブルに座り、日刊スポーツを広げ…朝ごはんを食べていた。
朝は、白いご飯を食べないと…《パワー》が出ない。
木嶋は、
【完全に、ご飯党】である。
食事を終え、着替えをしながら…鼻歌を歌っていた。
木嶋が、鼻歌を歌っているときは、機嫌が良い証拠である。
リュックに、作業服とタオル、Tシャツを入れ、
会社に着いてから食べる…オニギリを入れ…最寄り駅に向かって歩き出していた。
木嶋は、
「小室さん、どこに飲みに連れて行くのだろうか?」少し…不安になっていた。
小室さんが、会社の最寄り駅で通っている店は、何軒もある。
その店に行く度に、新しい発見もある。
木嶋や、大森さんには、新鮮なのである。
歩いているうちに、最寄り駅に着いたのだ。
《スポニチを買わないと…》
毎日の日課になっている。
スポーツ新聞は、読み終えてしまえば、ただのゴミである。
駅やコンビニの【分別ダストボックス】に捨ててしまうが一番いいのだ。
それをしないのは、会社で、溝越さんたちが読むので、捨てずに持って行くので、何か…配達をしている気分である。
京浜東北線に乗り、横浜駅に向かった。
「ガタン、ゴトン」揺られている。
揺れ具合は、いつもと変わらない。
朝は、通勤で慌てることはない。
時間に余裕を持って…家を出ているので、相鉄線が人身事故などで、不通にならない限りは、会社の送迎バスに、ギリギリで乗車出来るのであった。
万が一、相鉄線が、人身事故で不通になったりした場合は、
横浜駅から戸塚駅経由のルートで行くのである。
一瞬の判断が大事なのである。
会社の送迎バスに乗るのを、一本あとでもいいが、
現場に着いてから余裕がなく、仕事をするのは、木嶋自身がイヤなのである。
時間にゆとりを持ちたい。
はるかと待ち合わせするときは、木嶋が待つことが多い。
退屈なときは、リュックからレポート用紙とシャーペンを出し、思いついた言葉を書き留めることをしている。
電車が、横浜駅に到着。
木嶋は、階段を一段、また一段降りて行く。
JRの改札を出て、相鉄線の横浜駅に入って行く。
何やら…いつもと、様子が違う。
「こんなときに、トラブルか…?」
階段を上り、ホームを見渡すと…人が溢れていた。
「マジ…か?困ったね!」木嶋は悩んでいた。
タイムリミットは、刻一刻と迫っていた。
「東海道線で行こう!」
一度、通った相鉄線横浜駅改札口を通り抜け…
再び、JRの改札に入って行く。
東海道線のホームに並んでいた。
「相鉄線が動いていないから、若干混んでいるかな?」そんな気持ちになっていたのである。