第250話
職場に戻った木嶋は、
「三谷さん、大森さん、明日行くと回答が来たよ!」三谷さんに声を掛けたのだ。
三谷さんは、
「良かった。久しぶりに大森と飲めるんだ。」嬉しそうな顔をしていた。
それも…そうである。
三谷さんと、木嶋は、同じ職場で遊び行くことはあるが、
大森さんを誘っても、断ることが多いのであった。
「やっぱり…会社の最寄り駅で飲むのかな?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「そうなるでしょう。」三谷さんに言葉を返したのだった。
ふと…作業服のポケットから携帯を取り出した。
「あっ…メールの着信だ。」
携帯の受信メールボックスから新着メールをスクロールした。
「麻美さんからだ。」
木嶋は、頭の中で、
《クエスチョン》が付いていた。
今朝、木嶋が、麻美へメールを送信して、
はるかのことで、お叱りの言葉を午前中の休憩時間に目を通したのであった。
「木嶋君、明日、クラブ『U』で飲みながら話しをしませんか?」麻美からの誘いである。
木嶋は、
「そうだな…。一度、麻美さんの店に、出向かないといけないかな?小室さんたちと飲むから、時間は遅くなる。今週は…土曜日、仕事がないからゆっくり話しが出来る。」
そう考えながら、メールを打ちはじめようとしたとき、
「キーン、コーン、カーン、コーン」チャイムが、工場内に鳴り響いていた。
前掛けをして、作業を始めた。
「まっ…いいか!麻美に、あとでメールしよう。」
頭を切り替えた。
やっと…仕事が終わるメドが立ち、
「三谷さん、いつもの時間で帰りましょう!」木嶋は、三谷さんに声を掛けたのだ。
三谷さんも、
「了解しました!」木嶋に答えたのであった。
午後7時のチャイムが、
「キーン、コーン、カーン、コーン」鳴り響いていた。
木嶋は、
「やれやれ…」そんな雰囲気で、前掛けを外した。
職場を離れて、ロッカールームに歩いて行く。
「木嶋君、お疲れさま。」富高さんが、木嶋に声を掛けた。
木嶋は、
「富高さん、昼間はどうも…ね」富高さんに話したのだ。
富高さんは、
「あれっ…木嶋君、昼間と表情が違うよ!何か…あったの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「実は…はるかと別れたんだ。」富高さんに伝えた。
富高さんは、
「えっ…」声を上げ、驚きを隠せずにいた。
木嶋は、
「詳しい話しは、後日話しますよ!」富高さんに伝えたのだ。
富高さんは、
「了解しました。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「富高さん、すいません。今、話してもいいが、時間がないと言えません。明日、小室さんと飲みに行きますが、一緒にどうでしょうか?」富高さんに問いかけていた。
富高さんは、
「明日…大丈夫だよ。何人で飲むのかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「小室さん、三谷さん、大森さん、自分で、4人だよ。」
「大森君や、三谷さんも来るんだ…いいね。自分も行くよ。」富高さんは、木嶋に答えていた。
木嶋は、
「あとで、小室さんへ伝えます。場所は、明日の昼休みに、小室さんに聞いて下さい。」富高さんに話したのであった。
ロッカールームを出て、会社の送迎バスに向かう。
発車まで、あと…2分。
ギリギリで乗車した。
送迎バスの車内には、小室さんが座っていた。
小室さんは、
「富高も、一緒だったのか?明日、飲みに行くか…?」富高さんに尋ねていた。
富高さんは、
「先ほど、木嶋君から話しを聞きました。一緒に行きますよ。」小室さんに話していた。
小室さんは、頷きながら…
「時間と場所は、明日、木嶋に伝えておくよ。」富高さんに話したのであった。