第24話
はるかとのデートを堪能した木嶋は、翌週になり、会社の昼休みに富高さんの元に、向かった。
「富高さん、何時をメドに、麻美さんの店、クラブ『P』に行きますか?」木嶋は、富高さんに、聞いていた。
富高さんは、
「そうだね〜、何時頃にしようか?いつもぐらいの時間に行くって、麻美さんに、言っておいてよ。」木嶋に、伝えた。
木嶋は、
「じゃあ、麻美さんに伝えたおくからね。」富高さんに、話して自分の職場に向かった。
木嶋は、珍しくその日に、連絡を麻美に入れたのだ。
「麻美さん、月末週の金曜日は、午後8時ぐらいにクラブ『P』に行きます。」麻美に、電話した。
麻美は、
「分かりました。金曜日にクラブ『P』に来る時、連絡下さい。」木嶋に、電話口で話していた。
木嶋は、
「了解しました。」麻美に言いながら、右手を敬礼ポーズで電話を切ったのだ。
麻美に会う金曜日になった。
木嶋は、
「麻美さんには、はるかさんとデートしたと言う話しはメールで答えたが、プレゼントを買ったって言わない方がいいよね?」富高さんに、話し、メールの内容を見せたのだ。
富高さんは、
「木嶋君、麻美さんのメールでも書いてある通りだよ。プレゼントを買ったって言ったら、マズイと思うよ。」木嶋に、話していた。
「やっぱり、そう思うかな?麻美さんには、今回だけと強調しようと思います。」木嶋は、富高さんに伝えた。
富高さんは、
「木嶋君が、今回だけと言うならいいけどね。あんまり、優しくしない方がいいよ!」木嶋に、アドバイスをした。
木嶋は、
「そうかな?自分は、普通に接しているんだよね。優し過ぎるかもね。」富高さんに、話しながら自己分析していた。
木嶋は、誰にでも優しい。好意を抱いて女性に対しては、見境もなく、猛突進するも砕けてしまう。
麻美に対しては、同じ年代で話しも合うので、半分は友達感覚で接しているのがいいみたいである。
また、富高さん自身も、クラブとかに一人で行くタイプではない。木嶋との出会いは、お互いに共通の知っている上司がいて、その上司を通じて、仲が良くなり飲みに行くようになったのだった。
富高さんとの付き合いも、かれこれ5年を経過したのだった。
富高さんは、麻美と話す機会が多くなるが、何故?だろうか?
麻美のいる店に、木嶋と富高さん、二人で行くと 麻美が、その店を辞めてしまう《ジンクス》が出来つつあった。
現実的に、横浜のクラブ
「H」、関内のクラブ
「O」も、その月限りで辞めていた。
木嶋が、一抹の不安が過ぎるのも当然かも知れない。今回は、ないだろう、嫌、ないはずだと考えていた。
木嶋は、富高さんと一緒に会社のバスに乗り込み、会社の最寄り駅から、横浜市営地下鉄に乗車した。前回は、木嶋の通勤ルートだったので、今度は、富高さんの通勤ルートで関内に向かった。
「プルー」と電子汽笛が鳴り、電車が出発した。
いつものように、木嶋はら富高さんにビールを手渡した。
木嶋は、いつもなら電車内で、ビールを飲むことはない。この日は、ビールを買ってきていて、富高さんと一緒に、ツマミを片手に飲みながら、話しをしていた。
富高さんは、
「木嶋君、珍しいね!電車内で飲むなんて…」木嶋の行動に、驚いていた。
木嶋は、
「家では、飲まないが外に出た時は、飲みますよ。飲まないイメージが定着しているのは仕方ない。」富高さんに、話していた。
電車が、関内駅に着いた。木嶋を周りを見渡し、何か?を探していた。 麻美の店に行く目印だった。
麻美が、店を移動するたびに木嶋は、事前に場所の確認をしていたのだが、今回は、それをしていなかったのだ。麻美からは、メールで話していたが、さすがに、分からずに連絡をしたのだった。
木嶋は、携帯を取り出し、麻美に電話した。
「プルッ、プルー、プルー」と呼び出している。
麻美が電話に出た。
「もしもし、麻美です。」木嶋に、答えた。
木嶋は、
「もしもし、麻美さん、今、関内駅の北口に降りました。今いち、場所の見当がつかず、判らないので教えて下さい。」麻美に、話した。
麻美は、
「分かりました。案内します。その通りを、歩いて、一本目の信号を左に曲がって下さい。曲がったら真っすぐ歩いて、500mぐらいです。店の前まで来たら連絡を下さい。」木嶋に、話したのだった。
木嶋は、
「了解しました。」言いながら電話を切り、富高さんと、麻美のいるクラブ『P』に向かって歩き始めたのである。