第237話
男性店員さんは、困惑な表情を浮かべながら、
「お客様、私の上司と相談させて頂きますので、少し…お時間を下さいますか?」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「分かりました。なるべく…前向きな回答を望みます。」男性店員さんに伝えた。
あんなさんが、
「待ち人来ず…。そんな状況ですものね!普段なら、指名が重複していても、待ちは少ないはずですよね?」木嶋に問いかけていた。
「そうだね。指名が重複していても、およそ…30分ぐらいで来るね。店に入ってからこんなに待たされたのは、初めてで…自分が、不安になるんだ。明日もあるから…」木嶋は、あんなさんに話したのだ。
「明日?ですか…」あんなさんの頭の中で、クエスチョンマークが付いていた。
「明日は、仕事ですよ。」木嶋は、あんなさんに伝えた。
「あっ…そう言う明日ですね。私も、学生ですから授業がありますよ!」あんなさんは、木嶋に話していた。
「いいね。大学生活を謳歌しているんだね!大学は、4年制かな?」木嶋は、あんなさんに尋ねたのだ。
「大学は、4年制で、はるかさんと同じ年齢ですよ!」あんなさんは、木嶋にアピールしていた。
「はるかさんと、同じ年齢ね…若いね。キャンパス楽しい?」木嶋は、あんなさんに尋ねた。
あんなさんは、
「楽しいと言えば、楽しいのですが…つまらないですよ!」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「つまらない…って、どうして。あんなさん、彼氏がいるでしょ?」あんなさんに聞いていた。
「彼氏なんて…いません!」
「また、彼氏がいないなんて…冗談でしょ?スタイル抜群なのに…。」木嶋は、あんなさんに伝えた。
「スタイル抜群なんて…誉め過ぎです。彼氏がいないのは、嘘ではありません。木嶋さんが、羨ましいですよ!」
「羨ましいなんて言わないで…あんなさんに、胸を張れるようなことをしていません!」あんなさんに、木嶋は答えたのだ。
あんなさんは、
「木嶋さん、はるかさんが…彼女じゃないですか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「はるかさんは、彼女じゃないですよ!プライベートで会うのは、この世界にいる限り禁止ですよ!」
「プライベートで会うのは、禁止と言っても…今まで、こっそり…会っていたりしているんじゃないですか?顔に書いてありますよ!答えが…」あんなさんは、木嶋にツッコんでいた。
木嶋は、あんなさんの言葉が当たっているだけに、どう…切り返そうか…考えていた。
「仕方ないね!本当のことを言うと…プライベートで会っていますよ!店に出勤前ですが…」木嶋は、あんなさんに答えていた。
あんなさんは、
「やっぱり…そうだと思いました。はるかさん、今日で、クラブ『H』を辞めるのですから…規則に縛られることもないですよ!」
木嶋は、あんなさんの話しに頷いていた。
男性店員さんが、
「お客様。先ほど、上司と相談を致しまして、今回は、特別にこちらを優先させて頂きます。」木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、
「ありがとうございます。ちなみに…あと、どれくらいで、こちらに来ますか?」男性店員さんに尋ねていた。
男性店員さんは、
「あと…5分ぐらいです。」木嶋に答えたのだ。
「このことは、はるかさんに内密にしてくれますか?」木嶋は、男性店員さんに頭を下げた。
男性店員さんは、
「畏まりました。」木嶋に答え…その場を離れて行った。
あんなさんは、
「木嶋さんと話しをしていると、とても楽しいです。もう少しで、この席を立たないといけないなんて…酷いですよ!指名してくれれば、ずっといることが出来るのに…」木嶋に強い意思表示をしていた。
木嶋は、
「次回、クラブ『H』に来たら指名するね!」あんなさんに伝えたのであった。
あんなさんは、
「ありがとうございます!」木嶋に、にこやかな表情を見せたのであった。
あんなさんと話すのは、この日が最後になる…木嶋は、最初から答えが出ていたのであった。