表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
234/968

第234話

「やれやれ…そんな感じだよ!」木嶋は、富高さんに伝えた。

富高さんは、

「本当だよね!」木嶋に答えたのだ。

「ガタン、ゴトン」

東海道線が、スピードを上げ走行している。

木嶋の通勤ルートが変わったのは、今から、5年ぐらい前である。

当時は…東海道線で、藤沢駅乗り換え、小田急線で会社の最寄り駅まで通勤していたのである。

毎日、会社の最寄り駅から帰るとき、藤沢駅で、電車の待ち時間があると、同僚の人たちと…

《ファーストフード》や《立ち食いそば》を食べて、家に帰宅したこともあった。

今は、そんなことが出来なくなっている。

その頃が懐かしくなるときがある。

〜♪懐かしい Yesterday♪〜

「木嶋君、思い切って…今日、はるかさんに、想いを打ち明けた方がいいのでは…」富高さんが、木嶋に問いかけていた。

富高さんの言っていることは間違いではない。

木嶋は、

「今日は、そんな話しは出来ないよ…さすがに…」言葉をにごしつつ…

「近いうちに、打開するよ。」富高さんに答えたのだ。

「間もなく…横浜。横浜に到着です。どなた様も、お忘れ物がないようにお願いします。」車内アナウンスが聞こえていた。

木嶋は、

「やっと…横浜駅に着くのか?」富高さんに話したのであった。

膝の上に乗せていた胡蝶蘭を見て、

「木嶋君、胡蝶蘭…大丈夫?」富高さんが、木嶋に声を掛けた。

「大丈夫だよ!」木嶋は、富高さんに答えていた。

東海道線が、横浜駅構内に入った。

スピードを緩め…

木嶋は、座席を立ち、預けていたリュックを、富高さんから受け取った…。

一時いちじ、胡蝶蘭を座席に置き、再び、両手で抱えていた。

「プシュー」ドアが開いた。

木嶋と富高さんは、中央の出口階段を降りて行く。

横浜駅は、自動改札になっている…

一旦いったん立ち止まり、木嶋は、後ろのポケットから定期券を出そうとしていた。

富高さんが、

「木嶋君、預かるよ!」木嶋に声を掛け、胡蝶蘭を両手に抱えた。

定期券を、ポケットから出した木嶋は、富高さんから、受けとった。

「ピッ」自動改札のタッチパネルを、一秒いちびょうかざして、改札を出た。

木嶋の右隣りの改札から富高さんが出たのだ。

「富高さん、こちらです!」木嶋が、富高さんに声を掛けた。

「最短ルートで行けば問題ないのかも知れないが、少しおお回りで行かないと…」富高さんが、木嶋に答えていた。

木嶋は、

「少しでも、早く帰りたいのに、逆なことをして申し訳ないね。」富高さんに謝罪した。

コンコースを歩き、エスカレーターに乗った。

大勢の人が行き交う中で、鉢植えを抱えて歩いているのは、木嶋だけである。

小さな花を持って歩く人…

大きな花束を持って歩く人…

木嶋は、咄嗟とっさに判断した。

「小さな花を持っている人は、職場異動なのかも…大きな花束を抱えている人は、自分と同じように…好きな人にプレゼントか?会社を退職した人」と…思わずにいられなかった。

富高さんは、

「木嶋君、花束を持っている人が多く見かけるよね?」木嶋に尋ねていた。

木嶋は、

「春は、出会いと別れの季節だよ!」富高さんに答えていた。

相鉄ジョイナスの中を通って行く。

メインストリートを歩き、橋のたもと一息ひといきをついた。

「木嶋君、もうすぐ…クラブ『H』に着くね。」富高さんが、木嶋の右横で囁いた。

木嶋は、

「そうだね。今になって…段々と、握力がなくなってきたよ。」富高さんにボヤいていた。

橋を越え、家電量販店の脇を通り、

見慣れた鉄の階段を…

「カッ、カッ、カッ」一段ずつ…慎重に上がって行く。

富高さんが、クラブ『H』のドアを開けた。

【いらっしゃいませ】

男性店員さんの掛け声が聞こえたのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ