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第230話

木嶋は、作業服の上着の右ポケットから財布を取り出し…溝越さんに渡していた。

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」頭を下げたのであった。

「そんなこと…気にしなくていいよ。今日が勝負だ。精一杯せいいっぱい頑張れよ!」と、木嶋に励ましの声を掛け、溝越さんはその場を離れて行ったのだ。

三谷さんが、木嶋の元に歩いて来た。

「木嶋、この胡蝶蘭。随分…奮発したな?金額が高かったのじゃあないかか?」木嶋の好意に驚いた様子で話してきた。

木嶋は、

「三谷さん、胡蝶蘭を知っているのですか?」三谷さんに問いかけてみた。

三谷さんは、

「胡蝶蘭は、知っているよ!何度か…飲み屋のお姉さんに、プレゼントで渡したことがあるよ。」木嶋に答えていた。

木嶋は、

「そうなんですか?…三谷さんが、飲み屋のお姉さんに、花をプレゼントした話しは、今、初めて聞きましたよ!」三谷さんに伝え、続けざまに

「いくらだと思いますか?」尋ねていた。

三谷さんは、

「花を渡したのは、5年前。今とは、相場そうばの金額が違うと思う。そうだね〜…10000円ぐらいじゃないかな?」木嶋に答えたのだ。

木嶋は、

「鋭いですね。金額としては、いい線だと思います…。金額は、5000円です。」三谷さんに伝えた。

「随分…安く手に入れたんじゃあないか?例え…確かに、花束がいいが、鉢植えでも、彼女に喜ばれるよ!木嶋にしては、タイムリーヒットだよ。自信を持てば大丈夫だよ。」三谷さんは、木嶋に伝えた。

木嶋は、照れ臭そうに、

「そうだよね!好きな人に、何かしたいと思考をしていました。自分では、何がいいか解らず…彼女に聞いてみたんだ。」三谷さんに話したのだ。

「そうしたら…何て…彼女は言ったのかな?」三谷さんは、木嶋に尋ねてみた。

木嶋は、

「花をリクエストして来たよ。」三谷さんに答えたのだ。

「それで、木嶋が、溝越さんに花を頼んだのも、うなずけるよ。」三谷さんは、木嶋に話し、

木嶋の想いが、応えられるか…不安を隠せない。

三谷さんは、

「ふ〜ん!」

鼻で、嘲笑あざわらうように…

何故か?納得した表情を見せていた。

「でも、意外と言えば…意外だよ。溝越さんは、花屋さんに知り合いがいたとは…驚きだよ。」三谷さんは、木嶋との会話を終え、仕事を始めたのであった。

木嶋も、目の前の仕事に取り掛かっていた。

〜もうすぐデート出来るね…地球時間だと…3年振りだよ…〜

曲の歌詞を、口ずさみながら…

残業が終わる時間がくるのを待ちびていた。

富高さんは、仕事が早く終われば…木嶋の職場に来ると話していたが、時間が、ギリギリだったのかも…

そう…《プラス思考》に思わないと、精神的に参ってしまう。

残業終わりのチャイムが、

「キーン、コーン、カーン、コーン」鳴り、

足早あしばやに、ロッカールームに向かって行こうとしたとき、

三谷さんが、

「木嶋、忘れ物だぞ。」木嶋に声を掛けた。

木嶋は、慌てて…

「あっ…いけない…忘れていたよ。」苦笑いを浮かべて、職場の休憩所に戻り、

煙草たばこに、火を付けて…

【フー】と息を吐いた。

木嶋は、鉢植えを両手に抱え、

再び、、ロッカールームに向かって行く。

ロッカールームに入り、着替えを始めた。

「少し…時間に余裕がない!」

あせりの色が濃い。

ふと…目を、富高さんのロッカーに向けると、着替えを始めていた。

木嶋は、着替えを終え、リュックを背負い、

「富高さん、少し、慌てないと…バスに乗れないよ。」富高さんに声を掛けながら、ロッカールームを出ようとしていた。

富高さんは、

「あっ…木嶋君。もう少しで着替え終わるから、安心してね。」木嶋に答えていた。

木嶋は、

【ホッ…と。】胸を撫で下ろし、

【バスの発車時刻までには、間に合いそうだね!】と、言葉を言い残し、ロッカールームを出て、

会社の送迎バスに向かったのだ。

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