第225話
ニュースは、重大事故がなく、普段と変わらない日々が続いている。
木嶋は、テレビのニュースを聞きながら、風呂に入った。
いつもなら、テレビの電源を消すが、このときばかりは点けたままであった。
そのとき、携帯が、
「プルッ、プルー、プルー」と、呼び出し音が鳴り響いている。
湯舟に浸かっていたので、慌てて…バスタオルを巻いて出てきた。
携帯を取ろうとしたとき、呼び出し音が鳴り止んだ。
「誰かな…?」
画面を覗くと、玲からであった。
「玲さんか…あとで連絡しよう!」木嶋は、再び、風呂に入った。
身体と頭を急いで洗い、バスタオルで拭いた。
寝間着に着替え、着信履歴から玲に電話した。
「プルッ、プルー、プルー」呼び出していた。
「もしもし、玲で〜す。」玲が電話に出た。
「木嶋です。先ほどは、電話に出れずに申し訳ないです。」木嶋が、玲に謝罪していた。
玲は、
「木嶋君、何をしていたの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「家で、風呂に入っていました。」玲に答えたのだ。
玲は、
「家のお風呂ではなくて、彼女と、ホテルでエッチしていたのんじゃないの?」木嶋にツッコんでいた。
「ホテルではありません。自宅ですよ。」玲に伝えた。
「そっか〜。今、木嶋君、何をしているのかな?と、随分、会っていないから…たまには、声を聞きたいと思ったんだ!」木嶋に話していた。
木嶋は、
「本当ですか!嬉しいことを言ってくれるね!玲さん、今日は、クラブ『O』に出勤しなくていいの?」玲に問いかけた。
玲は、
「今日は、子供のことがあり…休みにして戴いたんだ。」木嶋に話していた。
「そうなんだ。なかなか、玲さんのクラブ『O』に行けずに申し訳ないね!」木嶋は、玲に話し、
玲は、
「たまには、顔を出してね。そうそう、彼女は、もうすぐ卒業だよね?まだ、夜の仕事を続ける話しは出ているのかな?」木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「彼女は、今週の水曜日、クラブ『H』のラストインです。本来なら、一人で行けばいいのですが、富高さんに打診したら、OKの返事を戴いたので、一緒に行こうと考えていますよ!」玲に伝えた。
玲は、
「彼女、水曜日で、夜の仕事を辞めるんだ!本当に、辞めるのかな?」木嶋の心を揺さぶるような発言をした。
木嶋の心が、グラグラ揺れている。
「はるかは、クラブ『H』を辞めるはず…。夜の復帰はない。」そう思いたい。
「彼女が、辞めると話しているから、辞めると思うよ!」玲に、そう答える以外に答えが見つからない。
「何か…プレゼントするの?」玲が、木嶋に問いかけ、
木嶋は、
「いつも、玲さんや麻美さんに、胡蝶蘭をプレゼントしているように、胡蝶蘭を持って行こうと思います。」玲に話したのだ。
玲は、
「胡蝶蘭でいいのかな?彼女、ブランド品が好きなら、ブランド品を買ってあげればいいのに…。」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「自分も、玲さんと同じで、ブランド品かなと思いましたが、色んな人からプレゼントを貰うみたいで、自分も、本人に確認したら…【花がいい】とリクエストでした。」玲に話したのだ。
「そうなんだ。彼女のラストインのイベントが終わったら、ホワイトデーで良いから、クラブ『O』に顔を出してね!富高君と一緒によろしくです。」玲は、木嶋に話し…電話を切ったのだった。
木嶋は、頭を抱えてしまった。
「ここ最近、飲みに行く回数が多く、コストが掛かっているので下げたいのに、来月も、飲みに出かけると財政を圧迫しかねないな!」ボヤくしかなかったのであった。