第222話
郷田さんは、
「そんなことを言っていたら、ダメになってしまうぞ。どこか近場の大会にでも、申し込んだらどうだろう?」木嶋に話していた。
木嶋は、
「そうですね!郷田さんが、今、言われた通りですね。近場の大会を、陸上情報誌を購入して、検討をしてみます。練習すらしていないので、最初から身体を作らないと…最低でも、半年ぐらい…時間の猶予が欲しいですね。」郷田さんに答えていた。
郷田さんは、
「了解しました。大会にエントリーしたら、携帯に電話下さい。近いうちに、飲みに行こうよ!日程が決まったら、連絡してくれるかな?」木嶋に伝え、
木嶋は、
「分かりました。飲みに行くメンバーは、大田さんと三谷さん、小坂さんでいいですか?郷田さんの意見を聞きたいのですが…。もし、OKであれば自分から連絡します。全員が同じ日に集まれるか?微妙ですが、なるべく努力しますよ。」郷田さんに話した。
郷田さんは、
「うんいいよ。木嶋が話していたメンバーで…日にちが決まったら連絡下さい。お願いします。」木嶋に伝え、電話を切ったのだ。
木嶋は、すかさず…携帯の電話帳から小坂さんに電話をかけた。
「プルッ、プルー、プルー」呼び出している。
電話のコールが、10回鳴らすが、電話に出ない。
木嶋は、電話のコールをする回数を、10回と決めている。
小坂さんも、富高さんと同じで携帯を持っていないのであった。
もしかしたら、携帯を持っている可能性を否定も、肯定も出来ない。
「こういうときは、携帯があれば便利なのに…。」携帯の利便性を強調してしながら、
「また、かけ直すかな?」木嶋は、電話を切った。
腕時計の時間は、まだ、午後8時を廻ったばかりで、今は、東海道線の車内であった。
小坂さんに、電話をかけたのは、久しぶりである。
最近は、はるかと一緒にいる時間が多く、仕事も忙しいため、小坂さん、郷田さんと疎遠に、なりかけていたので、いい機会だと感じていた。
気を取り直し、携帯を右手に持ち、再び、電話帳から三谷さんの携帯に電話をした。
「プルッ、プルー、プルー」呼び出している。
電車が、木嶋の最寄り駅に着いた。
「プシュー」乾いたエアーの音を響かせ、
「ピンポン」ドアが開いた。
「もしもし、三谷ですが…。」三谷さんが電話に出た。
「もしもし、木嶋です。」
「何だ…木嶋か?どうしたんだ?」三谷さんが、木嶋に問いかけた。
木嶋は、
「先ほど、郷田さんから電話があって…近いうちに飲みに行こう…と。自分としては、日にちを決めたい…三谷さんの都合を教えて下さい。」三谷さんに伝えた。
三谷さんは、
「そんなことなら、現場で話せばいいのに…?」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「三谷さんの意見を参考にして、小坂さんと大田さんに提示したいと考えているのです…。」三谷さんに問いかけた。
三谷さんは、
「今、2月だよね?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「そうですよ!何か…あるのですか?」
「嫌…何もないよ。あんまり早くしても意味がないよね?」三谷さんは、木嶋に聞いていた。
「そうですね!自分の意見は、4月の中旬ぐらいにしようかな?と考えていますが…その方が、郷田さんや小坂さんにもいいのではないか…と思うのですが…三谷さんは、予定は入っていますか?」木嶋は、三谷さんに尋ねたのであった。
三谷さんは、
「4月の中旬か…それでいいよ!小坂さんは、良いとしても、大田さんは、メンバーに入っているのかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「郷田さんの他は、大田さんと小坂さんですよ。」三谷さんに話し、
三谷さんは、
「了解です。あとのことは、木嶋に一任するよ。」木嶋に伝え、電話を切ったのであった。
三谷さんと大田さんは、会社に入ったのは、三谷さんが先だが、大田さんとは、同じ年齢なので話題が共通するのであった。