第211話
木嶋は、次に何を…オーダーしようか?悩んでいた。
「中トロにしようかな?さっき…大トロを頼んだばかりだが、まっ…いいか!あとは、イカ、サーモンにしよう。」自分に納得するように話していた。
はるかは、
「木嶋さん、何をオーダーするのか?決めたのですか?」木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「中トロ、イカ、サーモンを、オーダーしようかと思います。はるかさんは…」はるかに聞いていた。
はるかは、
「木嶋さん、大トロを頼んだばかりじゃないですか?いいのですか?中トロを頼んで…」木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「いいよ。」はるかに伝えた。
はるかは、
「分かりました。私は、甘エビを、オーダーして下さい。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「了解しました。すいません…中トロ、イカ、サーモン、甘エビをお願いします。」板前さんに声を掛けた。
板前さんは、
「中トロ、イカ、サーモン、甘エビですね。ありがとうございます。」威勢の良い掛け声が、店内に響き渡っていた。
木嶋は、再び、メニューに見とれていた。
「木嶋さん、メニューを見て、どうしたのですか?」はるかが、木嶋に問いかけていた。
「いや〜。結構、色んな種類が、たくさんあるな…と。感心していたんだ。」木嶋は、はるかに答えたのだ。
板前さんが、
「お待たせしました。中トロ、イカ、サーモン、甘エビです。」木嶋に手渡した。
木嶋は、
「ありがとうございます。」板前さんに、言葉を返し、中トロ、イカ、サーモンを自分の目の前に置き、
甘エビを、はるかに手渡した。
はるかは、
「甘エビを食べますか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「エビは、ダメなんだ。北海道で、エビと蟹を食べたんだが、どうも…好きになれずダメなんだ。」はるかに言葉を返した。
はるかは、
「そうですか…!」残念そうな表情を見せていた。
木嶋は、中トロを、美味しそう、口に運んでいた。
はるかは、
「木嶋さん、サーモンと、中トロを貰っていいですか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「どうぞ。」はるかに伝え、続けて、
「はるかさん、お吸い物でも…オーダーしましょうか?」はるかに尋ねていた。
はるかは、
「そうですね…何が…ありますか?」
「蛤のお吸い物と、あら汁。かな?選択は、はるかさんに委ねます。」木嶋は、はるかに問いかけていた。
はるかは、
「どちらにしようかな?蛤にしようかな…!木嶋さん、蛤でお願いします。」木嶋に答えたのだ。
木嶋も、
「自分も、それにしようかと…考えていたところですよ。」はるかに話し、珍しく意見が一致した。
近くにいた、女性店員さんに手を挙げ、
「蛤のお吸い物を、2つお願いします。」オーダーしたのだ。
女性店員さんは、
「蛤のお吸い物を、2つですね。少々、お待ち下さいませ。」木嶋に伝え、その場を離れて行った。
はるかが、オーダーした皿の数を数えていた。
「1.2.3…今、8枚ですね!木嶋さん、まだ、オーダーしますよね?」確認するような声で、木嶋に聞いてきた。
木嶋は、
「うん、まだ、頼みますよ。何故…そんなことを聞くのですか?」はるかに尋ねていた。
はるかは、
「木嶋さんの時間が、気になっていたので…!」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「今日、一日、予定を空けているから心配しないで…下さい!」はるかに答えていた。
「それなら…安心ですね!」はるかは、安堵した顔をしている。
その…安堵していた顔に、木嶋は、喜びを隠せずにいた。
先ほど、オーダーした…蛤のお吸い物を、女性店員さんが、木嶋の元に、運んできた。
「蛤のお吸い物です。」木嶋が受け取り、はるかに手渡した。
まだ、器が熱くなっている。
《フー》と息を吐いた。
【熱いから、舌をヤケドしないように…】はるかな、配慮をしていた。
「このお吸い物…美味しいね!」はるかが、木嶋に問いかけていた。
「本当だね。お吸い物を飲んだら、お腹がいっぱいになっちゃった。」はるかに話したのだった。
はるかは、
「そろそろ…木嶋さん、帰りませんか?」木嶋に問いかけた。
木嶋は、
「はるかさん次第でいいよ。」はるかに声をかけた。。
はるかは、
「じゃあ…帰りましょう。」蛤のお吸い物を飲み干し、先に席を立った。
木嶋は、近くにいた女性店員さんを呼んだ。
「会計をお願いします。」
女性店員さんは、手慣れた動きで、お皿の枚数を数え、伝票を木嶋に渡した。
木嶋は、伝票を右手に持ち、
「合計で、3550円です。」
財布を取り出し、3550円ピッタリ支払った。
会計を終えた木嶋は、はるかと共に、横浜駅に向かって行ったのだ。