第190話
はるかは、
「何で…麻美さんと会ったんですか?別に、会う必要がないように、私は、思いますけど…日本にいなかったからですか?」穏やかな口調で、木嶋を問い詰めていた。
はるかが、穏やかな口調ほど怖いのだ。
木嶋は、警戒しながら…
「麻美さんと…《会う必要がない…》なんて、批判的な意見を言ってほしくない!バレンタインデーが近いから、チョコレートを手渡したいと…そう連絡が来たんだ!」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「そうなんですか?…木嶋さん、麻美さんの誘惑に負けたんですね?」木嶋に問いかけたのだ。
はるかの言う通りなのかも知れない。
甘いチョコレートと誘惑に、
【ノコノコ】と、
車で、『Denny's』に行ったのは、紛れも無い事実である。
木嶋は、
「そんなことないよ!」はるかには、否定をしていた。
はるかは、
「女の直感は、鋭いですよ!特に、私は、木嶋さんの考えていることぐらい、お見通しですよ!」
木嶋も、ここまで言われると、返す言葉が見つからない。
ついに…観念した。
「はるかさん、さすがです。先ほどは、否定をしましたが、言われた通りですよ!」はるかに伝えた。
はるかは、
「やっぱりね。そうだと思いました。でも、今回は、許してあげます。」
「何か…怖いな!」木嶋は、はるかに問いかけてのだ。
「隠し事をされて、あとからバレるよりも、報告してくれたのだからです。ただ、バレンタインのチョコレートは考えます。」はるかは、木嶋に答えていた。
木嶋は、
「ありがとうございます!何かありそうな雰囲気が漂っていますよ!」はるかに、電話で頭を下げた。
「木嶋さん、《ホワイトデー》のプレゼントを期待していいですか?」はるかは、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、【やっぱり…】と言う気持ちだった。
「ある程度、頭の中で…考えていますよ。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「ヤッター。ありがとうございます。嬉しいです。ハワイで、お土産を買って来たのですが、いつ渡せばいいですか?日にちを決めませんか?」はるかは、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「ハワイのお土産ね。何だろう?楽しみだね。チョット…待ってね!手帳を持ってくるから…」
携帯を、炬燵のテーブルに伏せ、
リュックに、【黄色の手帳】を取りに行く。
手帳をパラパラめくりながら、携帯を持ち、
「はるかさん、お待たせしました。そうだね…自分としては、週末の金曜日か?土曜日がいいね!ただ金曜日に、待ち合わせの約束をして、残業になったとき、迷惑を懸けてしまいます。土曜日して戴いたほうがいいですね!」はるかに話したのだった。
はるかは、
「そうですか…土曜日ですね?私も、クラブ『H』に、ラストインの日にちまで、もう数えるぐらいしか出勤しません。」木嶋に話しつつも、悩んでいた。
「分かりました。土曜日にしましょう?」木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、
「ありがとうございます。土曜日ですね。待ち合わせ時間なのですが、夕方6時過ぎに待ち合わせしませんか?」はるかに伝えた。
はるかは、
「夜6時過ぎですね。私も、友達と待ち合わせが午後7時30分なので、タイミングもいいですね!」木嶋に話したのだった。
木嶋は、
「時間は、決まりだね。待ち合わせ場所の選択は、はるかさんに任せます。決まったら連絡を下さい。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「分かりました。」木嶋に答え、電話を切ったのだ。
木嶋は、頭の中で、今年のホワイトデーのプレゼントに悩んでいた。
「いくらまで、金額を出そうかな?去年と同じにするべきなのか…誕生日に頑張り過ぎた…」ボヤきしか出てこない。
胸に手を当てると…不安感が、広がるばかり…。
お金の心配はない。
ただ、世の中が、不景気でも、仕事があり、収入が得られている。
はるかの金銭感覚を直すには、
【今しかない】
木嶋も、破滅の道に歩んでしまうと思っているのだ。