第180話
木嶋は、ミートソースを麺に絡め…
「フー」と息をかけ、フォークで巻きながら、食べはじめた。
会社や家でも、パスタは嫌いではない。
最近は、食べる機会がないと言った方がいいのかも知れない。
朝、仕事に行くときに、パスタを食べることは有り得ないのだ。
食べるとすれば、休日ぐらいである。
今は、コンビニで手軽に買える商品になっている。
麻美は、蟹雑炊を小分けした器入れ、玲奈に一口、食べさせていた。
「玲奈…口を開けて。」
玲奈は、小さい口を広げ食べていた。
その表情を見ると、満足そうな顔であった。
この仕草を見ると、
2人は…
『親子だな!』と感じるのであった。 木嶋は、
「麻美さん、ポテトが冷めてしまいますよ!」麻美に声を掛けたのだ。
麻美は、
「あっ…そうだね。ありがとう。」
目の前にある…フライドポテトを食べていた。
「麻美さん、ケチャップを使わないの?」木嶋が、麻美に尋ねていた。
麻美は、
「せっかく…あるのだから使わないと…ね!」右目で、ウィンクしながら、ケチャップ用にもらった…小さな容器に入れたのだ。
フライドポテトを、【ポーションケチャップ】に、つけて食べることは、今までなかったのだ!
これも、はるかと付き合い始めてからである。
ポテトには、軽く…塩が振ってあるため、
木嶋は、いつもと同じように、使わずに食べていた。
麻美も、最初は、塩味のまま…食べていたが、ポーションケチャップをつけ始めた。
玲奈に、ポーションケチャップをつけたポテトを、2本、口に入れていた。
「ママ…美味しい。」玲奈が、麻美に伝えたのだ。
麻美は、
「賢お兄ちゃんに、感謝しないといけないよ!」玲奈に話していた。
玲奈は、頷きながら、
「賢お兄ちゃん、ありがとう!」木嶋に、感謝の言葉を述べていた。
木嶋は、
「玲奈も、ありがとう!」玲奈に、言葉を返したのだ。
麻美も、蟹雑炊を食べながら、玲奈に食べさせていた。
木嶋は、
「麻美さん、店で見ている姿とは違うね!玲奈ちゃんの前だと、完全に母親に成り切っているよ!」麻美に話したのだ。
麻美は、
「自分の子供だからね。木嶋君が、はるかさんに甘えているように…店にいるときは、男性に甘えたいのが本音!」木嶋に答えていた。
「やっぱり…そうなるのかな?」木嶋は、納得した表情を見せていた。
玲奈が、
「賢お兄ちゃん。アイスが食べた〜い!」木嶋に伝えていた。
木嶋は、
「OK。オーダーしようか?麻美さんも、いいのかな?」麻美に問いかけていた。
麻美は、
「OKです。」木嶋に伝え、
木嶋は、テーブルの横にある、ボタンを押そうとしたとき、
「玲奈が、押したい。」木嶋に、意思表示をしていた。
「意欲的だな!」
木嶋は、玲奈の思いを感じ取り、ボタンを玲奈の手が届くように、
「木嶋君いいの?」麻美が、木嶋に確認した。
木嶋は、
「いいよ!」とOKサインを出した。
玲奈が、ボタンを押した。
「ピンポン」
店内に、テーブルナンバーが表示された。
女性店員さんが、木嶋のテーブルに来た。
「ご注文をお伺いします!」木嶋に問いかけた。
木嶋は、
「デザートのバニラアイスをお願いします。」女性店員さんに、頼んだのだ。
女性店員さんは、
「畏まりました。バニラアイスをお持ちします!」木嶋の元を離れて行った。
麻美が、
「木嶋君。バレンタインプレゼント」
東急ハンズの袋を、木嶋に手渡した。
木嶋は、
「ありがとうございます。」麻美にお礼を述べた。
麻美は、
「これは、富高さんに渡して下さい!」
木嶋に渡した同じラッピングであった。
「麻美さんから、貰えるなんて…考えていなかったから嬉しいよ!」木嶋は、笑顔で麻美に話したのであった。
麻美は、
「いつも、木嶋君や富高さんに、お世話になっているからね!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「それを言うなら、自分ですよ!」謙遜しながら、麻美に答えていた。