第174話
木嶋は、
「それがいいよ!」小湊さんに話し、続けて
「今度、いつ会おうか?」と尋ねた。
「そうですね…。現時点で、5月末以外で探すとなると難しいかも知れません!他の予定もあり、確認をしないといけないので、一週間、時間を下さい。」小湊さんは、木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、
「了解しました。電話やメール、どちらでも良いので、回答をお待ちしています!」小湊さんに話し、電話を切ったのだ。
木嶋は、ふとしたことから、考え込む時がある。
日常生活の中で、若い女性社員の人たちとの交流がなく、時には、息が詰まりそうになる。
いつも、年配の人に頼なければならない…
【自分が不甲斐ないと…。】
小湊さんとは、話しが合うので、お互い様なのかも知れないのだ!
歩いている内に、地下街にあるチケットショップ『I』の前に着いた。
ここは、角にあるため、場所が解りやすい。
人も多くいる。
ショップから隣りのビルに繋がっていて、
日本で一番、短いエスカレーター【プチカレータ-】が稼働している。
その奥の地下2Fフロアには、スーパーマーケット、八百屋、ラーメン屋など数多く、点在していて、
木嶋も、良く利用している。
チケットショップで、ワーナーの映画チケットを探していた。
「ワーナーのチケット…チケット…あった。」
少し興奮気味であった。
木嶋には、珍しく声が上ずっていた。
金額を見ると、手頃な価格である。
「ワーナーのチケットを、2枚購入しよう!」
「今、並んでいる人たちは…1.2.…3人なら時間は、掛からないはず…」
木嶋は、並んでいる人たちの人数を数えながら、最後尾に並んでいた。
順番が来るまで、時間に余裕があるので、携帯を右手に持ち、携帯サイトにあるゲームに没頭しようとしていた。
《短時間で出来るゲームがあるの…だろうか?》疑心暗鬼になりながらも、探しつつ…
気長に待っていた。
「待ってからどれくらいなのだろう?」
腕時計を見ると…5分の経過である。
「まだ、それくらいしか経っていないのか?」
待つ時間が長く感じるためボヤきたくなるものだ。
ようやく、木嶋の順番になったので、右手に持っていた携帯を…Gパンのポケットに入れたのだ。
女性店員さんが、
「いらっしゃいませ…どれをお買い求めでしょうか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「ワーナーの映画チケットを…2枚…購入したいのですが…。」女性店員さんに伝えた。
女性店員さんは、
「ワーナーの映画チケットを、2枚ですね!畏まりました。少し、お待ち下さい。」木嶋に答えていた。
手慣れた手つきで、チケットを取り扱っている。
その様子を、目で追っていた木嶋は、感心しながらも、財布を取り出した。
「いくらになりますか?」木嶋が、女性店員さんに問いかけていた。
「合計で…2000円になります。」女性店員さんが、木嶋に答えていた。
財布から、1000円札を、2枚取り出した。
「いや…待てよ!2枚より4枚にした方がいいかも知れない!」
一瞬…迷いが出ている。
木嶋は、たまに…優柔不断な面が出ていた。
スパッ…と、決断する時はするが、
迷い始めると、どうして良いか分からないのだ。
今は、最善な判断を下さないといけない。
木嶋は、
「あっ…すいません。ワーナーの映画チケット…4枚にして下さい!」女性店員さんに伝えたのだ。
女性店員さんは、
「4枚ですね!畏まりました。金額は変わりまして、4000円になります。」木嶋に答えたのだ。
木嶋は、財布から1000円札を2枚取り出し、女性店員さんに、お金を支払いをしていた。
女性店員さんから、
【ワーナーの映画チケット】を受け取り、
チケットショップ『I』をあとにした。
軽快なステップで、木嶋は歩いていた。