第169話
「ブィーン」自動ドアが開いた。
「カッ、カッ、カッ」
靴の音を響かせ、
はるかが、階段を上がってきた。
木嶋は、背もたれ付きのシートに座っていたので、
はるかは、すぐに見つけることが出来たのだ。
「木嶋さん、遅くなりました!」はるかが、木嶋に頭を下げていた!
木嶋は、
「待ちくたびれました!」と言いながら立ち上がり、反対側の椅子に座ったのだ。
はるかは、先ほどまで、木嶋が座っていた背もたれ付きのシートに座ったのだ。
「はるかさん、何か…飲み物をオーダーしますか?」
テーブルの上に置いてあったメニューを、はるかに、手渡したのだ。
「ありがとうございます。木嶋さんは、オーダーしなくていいのですか?」はるかは、木嶋に尋ねていた。
「自分は、はるかさんが来る前に、オーダーしたので、好きなのをどうぞ。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、メニューを、パラパラめくりながら、
「ホットロイヤルミルクティーをお願いします!」はるかは、木嶋に話したのだ。
「了解しました!」木嶋は、はるかに伝え、
近くにいた店員さんを呼び、
「ホットロイヤルミルクティーを一つ。お願いします。」オーダーをしたのだ。
「ホットロイヤルミルクティーですね!少々、お待ち下さいませ!」
店員さんが、メニューを下げながら、木嶋の元を離れて行く。
「はるかさん、明日から卒業旅行に出かけるんだよね?」木嶋は、はるかに尋ねていた。
はるかは、
「そうですよ。日本時間の明日、ハワイに出発します。今からワクワクしています!」木嶋に、笑顔で応えていた。
「自分は、海外へ出かけたことがないから、はるかさんみたいに、何度も、行ける人が羨ましいよ!」木嶋は話しを続け、
「エコノミー症候群や時差ボケにならないの?」はるかに聞いていた。
はるかは、
「エコノミー症候群や時差ボケに、なったことないですね!飛行機の中では、フライト時間が長いので寝ていますよ!」木嶋に話していた。
「自分は、国内しか行ったことがないからね。フライト時間が長いと、《イテ》も、《タッテ》もいられないよ!」
「木嶋さんは、どれくらいなら我慢出来るのですか?」はるかが、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「飛行機に長時間、乗らないと分からないね!北海道にスキーで出かけた時も、90分が長く感じたからね!」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「そうですか…?海外に、一度、出かけて見ると見聞も広がりますよ!」木嶋に指南していた。
木嶋は、頷きながら、
「それは言えるよね!日本国内だけで、満足していては《ダメ》だよね!」はるかに答えていた。
『お待たせしました…ホットロイヤルミルクティーです。』
店員さんが、先ほどオーダーした、
《ホットロイヤルミルクティー》を、はるかの目の前に置いた。
「そうだ…。はるかさんに、渡したい物があるんだ!」木嶋は、はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「渡したい物って…何?」木嶋に聞いていた。
「さて、何でしょう?チョット…待ってね!」
木嶋は、リュックの中から茶色の封筒を取り出した。
「はるかさんに、プレゼントです!」
封筒を、はるかに手渡した。
はるかは、
「何だろう…?開けても良いですか?」木嶋に聞いたのだ。
木嶋は、
「どうぞ…」
はるかは、封筒の先端を、右手で切っていた。
封筒の中を覗いた。
「わ〜い。アメリカドルだ…ありがとうございます!」はるかが、木嶋にお礼を述べていた。
木嶋は、
「少額で申し訳ないが、富高さんの分も入っていますよ!ハワイで小遣いに、ならないかも…!」苦笑いをしながら話していた。
はるかは、
「全然、いいですよ。手持ちがあった方がいいですからね!大切に使わせて頂きます。何か…お土産を買って来ますよ!」木嶋に伝えていた。
【そんなに…気を使わないでいいよ!】
木嶋は、照れていた。
《あとは、CNNニュースに、ならないようにね!》
はるかが、どこに行くにしても、優しい言葉を掛けるのであった。