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第166話

〜♪両手広げ…全てを受け止めよう…いつもそばで…WOW…勇気つけてあげよう♪〜

木嶋は、この曲が好きで、機嫌がいいと、歌を歌いながら、テンポ良く仕事をしていた。

「これで、大きなトラブルがなければいいが…?」

木嶋の脳裏に、不安がぎるのだ。

今まで、人と待ち合わせの約束があると、会社で、大きなトラブルがあったり、突発的とっぱつてきな仕事があることが多い。

はるかと出会う前のX'mas

《20世紀末》

滅多めったに会えない岩崎さんと待ち合わせの約束をしていたことがあるのだ。

岩崎さんは、結婚してしまったが、会社の仲間と東京の代々木で、一泊の研修があり、意気投合して、

デートをしたり、三谷さんと一緒に、会いに行ったりしたのだ。

お互い、忙しい中で、連絡を取り合いながら、この日を待っていたのだ。

しかし、仕事が間に合わなくて…、

《ドタキャン》をしてしまったにがい思い出があるのだ。

「いくら何でも、残業してくれなんてことは、溝越さんは言わないはず…!」木嶋は、疑心暗鬼ぎしんあんきになるのも無理はない。

「三谷さんに、今日、自分が、残業を出来ないことを話すべきかな?いや…待て…!万が一のことを考えると、言わない方が得策とくさくかな!」木嶋は、そう思ったのだ。

木嶋が、三谷さんを警戒をしているのは、会社で先輩だが、

プライベートに関しては、ズルかしこいのだ。

木嶋が、

「今日、予定があって帰るから…。」と、話しをすれば、

「俺も、予定があるんだよ!」と、木嶋に反論するのだ。

それを、天秤てんびんにかけたとき、仕方ないと結論を出してしまうのだ。

三谷さんは、陸上仲間との飲み会やスキー、バーベキューなどにも、一緒に行動したが、

木嶋が、はるかと知り合ってからは、一緒に行動をすることが、少なくなっていたのも事実であった。

木嶋も、

「いつまでも、三谷さんを頼ってばかりではいけない。ただ、嫌っているのでもない。相談すれば同じ目線で考えてくれる!さすがに、はるかのことは、話しずらいな!」木嶋は、心に決めたのだ。

木嶋の周りに、年配の人が多く、年下を探すと、かなり掛け離れてしまう!

三谷さんは、自分の姉と同じ年齢なので、お兄さん的な存在かも知れない。

同じ目線で考えてくれることには、【感謝】していた。

年齢が一つ違うと…大きくなるものである。

何事もなかったように、ただ、時間だけが、刻々(こくこく)と過ぎて行く。

木嶋は、坦々(たんたん)と仕事をしていた。

仕事終わりのチャイムが、

「キーン、コーン、カーン、コーン」鳴っている。

「やれやれ、やっと終わったかな?」木嶋はくつろぎモードに入りながら、ロッカールームに向かった。

着替えを終え、会社の送迎バスに乗った。

すかさず、携帯を取りだし、

「今から横浜に向かいます。」はるかにメールを送信したのだ。

あとは、はるかからメールが返信されるのを待つしかない。

「横浜に着くまでに、返信がなかったらどうしようかな?」なかば不安になりがちである。

はるかが、携帯を、家や友達の家、タクシーの中に忘れて来るのだ。

そのことが、いつも、木嶋には、残像として残っていた。

送迎バスが、会社の最寄り駅に着いたのだ。

木嶋は、階段を降り、コンビニに入って行く。

手に取ったのは、毎日の日課になっている、夕刊紙とコーヒーを取り、レジに並んだ。

支払いを終え、コンビニから駅の改札口を通り、階段を降りて、ホームに向かった。

木嶋が、電車に乗り、

「プルー」発車ベルが鳴り

「ガタン、ゴトン」

電車が動き始めた。

すると、聞き慣れた着信音が、

「ピローン、ピローン、ピローン」鳴り響いていた。

もちろん、はるかからであったのだ。

木嶋は、電話に出た。

「もしもし、木嶋ですが…」

「私、はるかです。今、横浜に着きました。木嶋さんは、どちらですか?」はるかが、木嶋に尋ねていた。

木嶋は、答えようとしたとき、トンネルの中で、通話が途切れてしまったのだ。

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