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第165話

会社の最寄り駅に着いた木嶋は、階段を、《二段飛びダッシュ》しながら、駆け上がって行く。

改札口を出て、すぐ横にある売店で、毎週、金曜日に購入しているマンガを取り、

売店のおばさんに、お金を渡しながら、マンガとお釣りを受け取り、左腕にしていた腕時計で時間を確認していた。

「アッ、ヤバイ。会社の送迎バスに乗り遅れる。」慌てて、再び、走り出した。

送迎バスに乗り込んだ木嶋は、空いていた座席に座った。

座席に座った途端、目をつぶっていた。

朝の電車の中でも、乗り換え駅から会社の最寄り駅まで、目をつぶり一休ひとやすみするのであった。

会社までの道は、【アップダウン】が多数たすうあるため、どの辺りを走行しているかは、感覚で分かっていた。

最近は、仕事が終わってから走る機会がなくなってしまったが、

『20世紀末』までは、良く走っていたのであった。

【アップダウンの地形】は、走るには、効果は抜群ばつぐんである。

もっと欲を言えば、《高地トレーニング》を出来れば、言うことなしだが、無いものねだりをしても、始まらない!

木嶋が、《陸上トレーニング》をやっていた時は、毎日のように、走っていたのだ!

一時期、会社の送迎バスと、どちらが、会社の最寄り駅まで早く着くか?競走したのだ。

その光景は、会社の中でも、一つの話題になっていた。

木嶋が、5分早く出て行っても、会社の送迎バスには、かなわないのだ。

会社周辺の地形を利用した、

【アップダウンコース】を2周すると、結構キツイのだ。

送迎バスが会社に着いた。

バスを降りて、ロッカールームに向かった。

木嶋のステップがリズム良く、いつもより軽快けいかいに歩いて行く。

ロッカールームで、着替えを終えた木嶋は、自分の現場に向かった。

現場の休憩所で、おにぎり食べ、お茶を飲みながら、スポニチを広げ読んでいた。

8時近くになり、溝越さんが、木嶋のいる休憩所に来たのだ。

「おはようございます。」

木嶋は、溝越さんに挨拶あいさつした。

溝越さんは、

「おはよう。今日は、彼女と会うのか?」木嶋に問いかけていた。

木嶋は、

「はい。彼女に、会いますよ。向こうも、その予定だと思いますよ!」溝越さんに答えたのだ。

「そうか…木嶋も、今を満喫まんきつしておかないと…ダメだぞ。いい年齢なのだから…身を固める準備をして…早く、親孝行しないと…」溝越さんは、木嶋にさとしていた。

もちろん、木嶋に、結婚願望はある。

それが強いために、女性と交際をするときは、意識をしてしまう。

今の木嶋には、はるかや玲しかいないのだ。

彼女になる人がいて、前進して行く…。

「溝越さんの言われていることは、理解をしています!彼女は、若いですからね!今、そんな話しをして、自分の前からいなくなってしまうのが怖いです!」木嶋は、溝越さんに伝えた。

「そうだよな!会社と家の往復していたら、どこで、女性と知り合うかと言えば…『クラブ』や『スナック』に飲みに行って、そこで仕事をしている人と出会う確率が高いよな!そこの店の女性にするか?会社の女性するか?と比べた場合、外の女性の方が【シガラミ】がないと思うからいいよ。会社の女性でもいいが、別れたりしたら大変だよ!」溝越さんは、真剣しんけん眼差まなざしで、木嶋に話していた。

朝から、熱く語るのも、珍しい光景でもあった。

木嶋は、いつになく…溝越さんの話しを聞いていたのであった。

仕事始まりのチャイムが、

「キーン、コーン、カーン、コーン」と鳴っていた。

木嶋は、

「今日も、一日、頑張ろう」と、自分自身に言い聞かせていたのだった。

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