第164話
木嶋に取っては、長い一日が終わろうとしていた。
「やっと、布団に入ることが出来た!」安心感が漂っていたのだった。
次の日…朝から雪がチラついていた。
「2月なのに、雪が降るとは…大雪にならなければいいが…!」感慨に浸っていた!
今日は、はるかが、卒業旅行に行く前日である。
木嶋は、心の中では、不安で仕方ないのだ!
なぜなら…
「はるかは、可愛い!本当に女友達で行くのか…?」
不安は尽きない!男性と一緒に行っても、それを女性と偽ることだって出来るのだ。
本音を言えば、木嶋自身が、はるかと、一緒に海外に行きたい気持ちは、常に、心の中で持っている。
しかしながら、会社で、社員として、働いているのだから、そういうことをするのは、難しいのだ!
今の時期、年末年始で、お金の支出が多く、余裕がないのも事実である!
木嶋は、海外旅行に行ったことがないので、いつの時期が高いか?安いか?分からない。
一度は、出かけてみたい。
いつ…叶うか?…分からない。
朝食を食べ、身支度を整え、家を出ていく。
「今日は、身体の調子は、普通かな?」
木嶋は、そう感じながらも、最寄り駅に急いだ!
いつものキオスクで、スポニチを購入して、京浜東北線のホームに降りて行く!
木嶋が、通勤している時間は、まだ、人影が、疎らである。
遠距離で通勤している富高さんは、もう、地元の駅を出ているはずである!
「プシュー」
ドアが開き、電車に乗った。
「ガタン、ゴトン」
揺られながら、
木嶋は、先ほど…キオスクで購入したスポニチを広げ、読んでいた!
木嶋の好きな野球は、キャンプシーズンである。
今の楽しみは、《マラソン》と《ラグビー》なのだ!
元々、陸上の長距離をやっていたこともあり、一人で横浜国際駅伝を観戦しに行ったり、会社や陸上仲間の出ている大会を応援に行ったりしていたこともあり、違和感なくテレビ観戦することが出来るのだ!
ラグビーは、ルールなどは、判らないが、
【早稲田大学VS明治大学】の試合を観ていると楽しいと思い、スカパーやNHKで放送をしていれば、いつも観戦をしている。
「間もなく、横浜〜、横浜です。相鉄線、横浜市営地下鉄は、乗り換えです。」
車内アナウンスが、聞こえていた。
木嶋は、スポニチをリュックに入れ、ドア付近に立った。
「プシュー」
エアー音を立てて、ドアが開いた!
先頭車両から、歩きながら、階段を降りて行く。
いつもと同じ光景である。
これが、日常なのだ。
JRの改札口を出て、相鉄線の改札口に向かった!
地下の階段を、一段、また、一段と上がって行く。
改札を通り、
「プルー」
発車ベルが鳴っている。
駆け足で、ホームへの階段を上がって行く。
電車に飛び乗り、
「プシュー」
ドアが閉まった。
電車が、動き出した。
木嶋は、再び、リュックからスポニチを出した。
ふと、気がついた。
「アッ…今日は、マンガの発売だった!」
いつもは、時間に余裕を持って、最寄り駅まで、歩いて行くが、
この日は、慌てていたため、ギリギリで、駅に着いたのだ。
そのため、毎週末に購入しているマンガの発売日を忘れてしまっていた。
「会社の最寄り駅で、マンガを買ってから行こう!」
会社の送迎バスの発車まで、若干の時間空きがある。
果たして、マンガまで買えるのかは、分からないのだ!
「一か?…八か?」一種の賭けである。
「もうすぐ、乗り換え駅だ。」ホッと…一安心をするのであった。
乗り換え駅で、普通電車に乗り換えた。
先ほどまで、乗っていた電車は、急行だか、速度が、普通電車と間違えそうになるているのだ。
やっと、会社の最寄り駅に着こうとしていた!
「あと、一日、頑張ろう!」
木嶋のテンションが、やっと、上がってきたのだ!