第156話
店内に入り、パソコンコーナーを目指し、
「ズッ、ズッ、ズッ」と歩いていた。
フロアに下がっていた垂れ幕を頼りに目指して行く。
「あっ、ここだ。」パソコンコーナーに立ち止まったのだ。
「色んなタイプの機種があるんだな!自分自身が、オーディオ関係の情報に、疎いのが、あからさまに判ってしまうようなものだ。」木嶋は、自問自答するしかないのだ。
パソコンを眺めていると、男性スタッフが、
「いらっしゃいませ。お客様。パソコンをお求めでしょうか…?」木嶋の元に歩み寄ってきた。
木嶋は、
「こんにちは。パソコンを購入したなと思うのですが…お恥ずかしい話しですが…今まで、パソコンを扱ったことがないので、初心者に優しい機種なんて…ありますか?」男性スタッフに聞いていた。
男性スタッフは、
「そうですね〜。初心者に優しいパソコンですか…難しい質問ですね!」苦笑いを浮かべながらも…
「この商品で…いかがでしょうか?」
男性スタッフが、最初に商品を見せてくれたのは…ソニーのパソコンであった。
「ソニーですか…!」木嶋は、頷きながら話しを聞いたのだ。
「ソニーは、パソコンに力を入れているのですね?」木嶋は、男性スタッフに問いかけたのだ。
男性スタッフは、
「パソコンなどは、ソニーが強いですね。メーカーに依って、得意分野があります。」木嶋に答えていた。
「言われている通りです。自分にも、得意分野があるように…メーカーによって分かれてしまうのは、仕方ないですよね。」木嶋は、男性スタッフに話したのだ。
「あとは、お客様の予算なども、関係すると思います。男性スタッフは、木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、
「予算を考慮して、また、こちらに伺います!」男性スタッフに話し、
「近いうちに、ご来店されると思っています。」駐車場に戻り、携帯の画面を覗くと、受信メールがあることに気がついた。
「誰かな?」興味深く見た。
はるかからのメールであった。
「木嶋さん、連絡ありがとうございます。私も、卒業旅行で出かける前に、会いたいと思っていますので、日にちを確認してから再度、連絡を致します。」
木嶋は、
「分かり次第、連絡下さい。」はるかに、メールを送信したのだった。
携帯を、ドアポケットに入れ、車のエンジンを掛け、家電量販店から出て行くのであった。
駐車場までの道程を、混雑がなければ、10分ぐらいで着くはずである。
線路の踏切を渡る直前、
「キン、コン、カン、キン、コン、カン」警報が、けたたましく、鳴らしながら、遮断機が降りていく。
電車が通り過ぎるまで、3分ぐらいであった。
自分が、待つときは、時間の経過が遅く感じるのだ。
仕事をしているときは、時間の経過が早くなるのだ。
「ブーン」
高速で通過する音が、空気が乾いたように、聞こえていた。
警報が鳴り止み、遮断機が上がって行く。
踏切を渡る前に、左右を確認して、駐車場に向かって走って行った。
駐車場に車を止め、家に向かって歩いて行く。
木嶋は、
「はるかには、いつ、会えるのだろう…」不安感が高まって行く。
家に着いた木嶋は、マグカップを取り出し、
『ホッ…と』一息つきながら、
ホットコーヒーを作り、飲んでいた。
「今日は、忙しい一日だ。」ボヤきながら、部屋の中で、身体を横たわったいた。
毎日、仕事で遅くなるに連れ、疲れが、身体に出ていた。
すると、いつの間にか、木嶋は寝てしまったのだ。
気がつけば、もう、夕方であった。
木嶋は、再度、携帯を確認した。
メールの着信があったのだ。
「はるかさんかな?」そう感じていた。
受信メールを見ると、はるかであった。
「会う日にちに関してですが、卒業旅行は、金曜日からなので、木曜日でいかがですか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「木曜日…この日を、定時にして、はるかに合わせよう。」はるかに、メールで答えていたのであった。