第150話
麻美は、はるかの左手を握り、
木嶋のいる席に、《エスコート》した。
「木嶋君、はるかさんがお見えになりましたよ。」木嶋に声を掛けたのだ。
ふと左前を見上げた。
はるかが、木嶋の前に立っていた。
「木嶋さん、お待たせしました。」はるかが、木嶋に話したのだ。
木嶋は、にこやかな表情を見せながら、
「待っていました!」はるかに伝えたのだ。
麻美が、気を遣い、はるかを、木嶋の左横に、座るように促した。
はるかは、木嶋の隣りに座ったのだ。
「初めまして…らんと言います。今日は、宜しくお願いします。」らんが、はるかに挨拶をしたのだ。
はるかは、
「初めまして…。木嶋さんと仲良くしています…はるかと言います。」らんに頭を下げたのだ。
らんの右横にいた、富高さんが、
「あれっ…。はるかさん、いつ来たのですか?」笑い飛ばし、はるかに聞いていた。
はるかは、
「今、来たばかりです。」富高さんに答えたのだ。
麻美は、円形の椅子を、隣りのテーブルから持ってきた。
木嶋とらんの前に座ったのだ。
これで、玲がいれば、【究極のオールスター】であるが、いないので、【プチオールスター】である。
らんが、
「麻美さん、木嶋さんの隣りにいる、はるかさんとは、クラブ『H』で、一緒だったと話されていましたよね?」麻美に聞いていた。
麻美は、
「そうです。クラブ『H』で、一緒でした。はるかさん、かわいいでしょ!木嶋君が、好きになるのも無理もないよね!」らんに話したのだ。
らんは、
「それは言えますね。はるかさん、私たちより断然…若いですよね?」はるかに問いかけていた。
はるかは、
「私は、今月…成人式を迎えたばかりです!」らんに答えたのだ。
らんが、
「ズルッ」とコケながら、
「本当ですか?」はるかに尋ねていた。
はるかは、
「本当です。」らんに伝えたのだ。
富高さんは、
「自分たちは、はるかさんが、成人式を迎える前から、クラブ『H』で知り合ったのです!」らんに話したのだ。
らんは、
「木嶋君、犯罪じゃないの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「犯罪じゃないでしょ。光源氏計画…なんてね。」らんに【おどけて】話していた。
麻美は、
「木嶋君は、はるかさんがいれば…OKだよね!」木嶋に話したのであった。
木嶋は、麻美の言葉に、首を縦に振り頷いていた。
はるかが、
「木嶋さん、私以外の女性と交際していないでしょうね!」いきなり、木嶋に聞いていた。
木嶋は、驚いていた。
「何故?はるかさん以外の女性と交際しないといけないの?麻美さんは、同年代だから…ほとんど…友達感覚だよ。らんは、今日、紹介されたばかりですよ!」はるかに伝えたのだ。
らんは、
「そうですよ。木嶋君とは、今日、麻美さんに紹介されたのです。富高さんも同様です。」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「以前、私以外の人とメールをしていたので、少しばかり疑っていたのです。らんさんの言葉を、信用します。麻美さん、テーブルの上にケーキがあるのですが…誰かのお祝いでも、したのですか?」麻美に聞いていた。
麻美は、
「はるかさん、木嶋君から、何も話しを聞いていないの?」はるかに問いかけたのだ。
はるかは、
「何も聞いていませんよ!ねっ…木嶋さん!」木嶋に答えを求めていた。
木嶋は、相槌を打ち、
「はるかさんに、何も話していませんよ!」麻美とはるかに答えたのである。
麻美は、
「本当かな?」木嶋に迫るように、問い詰めていた。
木嶋は、
「本当ですって。」麻美に話したのだ。
麻美は、じゃあ話しましょう!
「富高さんの誕生日が、2月11日の建国記念日なので、少し早いのですが…お祝いをさせて頂きました。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「そうなんですか?」少しトボケていた。
富高さんの誕生日は、はるかのいるクラブ『H』で、木嶋から聞いていたのだ。
はるかも、【したたか】である。
今、ここで、富高さんの誕生日を知っていると話すより、麻美の顔を立てる方が得策だと考えたのだ。
「何か…プレゼントを渡されたのですか?」はるかは、麻美に聞いたのだ。
麻美は、
「私は、手編みのマフラーを、富高さんにプレゼントしました。」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「らんは、何を渡されたのですか?」らんに尋ねていた。
らんは、
「花束を渡しました。」はるかに伝えた。
「花束や手編みのマフラーなんて…照れ臭いからいいよって話したんだ!」富高さんが、はるかに話したのだ。
はるかは、
「でも…受けとったのですか?」富高さんに、突っ込みを忘れず…
富高さんは、
「プレゼントを頂いて、お祝いまでしてもらい、2人に感謝しないとね!」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「私からの誕生日プレゼントです。」
【HERMES】のバックの中から、横浜高島屋の包装紙を手渡した。
「2人から見たら、高価な物ではないですよ!」富高さんに、謙遜な言葉で話したのだ。
富高さんは、
「今、開けてもいいかな?」はるかに聞いていた。
はるかは、
「どうぞ…。」富高さんに答えたのであった。