第148話
木嶋の携帯が、
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴っている。
携帯画面を覗くと、はるかであった。
「もしもし、木嶋ですが…!」
「はるかです。今、仕事が終わりました。これから横浜駅に向かい、関内に行きます。関内では、どちらの出口に出ればいいのですか?」はるかは、木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「横浜寄りの階段を降りて頂き、改札口を出たら電話を下さい。お願いします。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「判りました。関内に着いたら電話をしますね!」木嶋に話し、電話を切ったのだ。
木嶋は、
「麻美さん、これから関内に来ると話していたよ。すんなり来るとは思えないのですが…。」麻美に話したのだ。
麻美は、
「はるかさん、今でも、木嶋君と待ち合わせしても、時間に《ルーズ》なんでしょ…?」木嶋に問いかけていた。
「今でも、《ルーズ》ですよ!直して下さい…と言っても、【馬の耳に念仏】だね。」木嶋は、麻美に答えたのだ。
「やっぱりね。期待しないで…飲んでましょう。」麻美は、木嶋に話したのだ。
木嶋も、半ば諦めに近い…!
「そうだね!」と…。
麻美に、相打ちをしたのであった。
富高さんは、4等分された《バースデーケーキ》の1つを、小皿に取った。
フォークで、生クリームを取り、三角形の頂点から少しずつ食べはじめた。
一口、おいしそうに、頬張っていた。
「このケーキ、おいしいよ!どこのケーキかな?」富高さんは、らんに聞いていた。
らんは、
「私は、分からないから麻美さんに聞いて…」麻美に助け舟を求めていた。
麻美は、
「このケーキは、関内駅の近くにある《コージーコーナー》ですよ!」富高さんに伝えたのだ。
富高さんは、
「へぇ〜、《コージーコーナー》で、売っているんだ。」感心を示していた。
続けて、
「自分で、ケーキを買う機会ないから、どこが美味しいかなんて判らないよ。」富高さんは、麻美、らんに話し、
「ハハハ」と、笑いを誘っていた。
らんは、
「木嶋君に、はるかさんがいるのに、富高さんは、好きな女性はいないの?」不思議そうに、富高さんに聞いていた。
富高さんは、
「自分は、木嶋君に飲みに連れて来てもらうだけで幸せですよ!」らんに話したのだ。
らんは、
「木嶋君が、いなかったら来ることも、出来ないの?」富高さんに問いかけたのだ。
富高さんは、
「そうだね。自分は、携帯電話を持っていないので…」らんに答えた。
らんは、
「えっ…携帯電話を持っていないのですか?」驚いた様子であった。
「携帯電話があると、拘束されているみたいで嫌なんだ。プライベートでも関係ないからね。」富高さんは、らんに伝えたのだ。
らんは、
「そうだね。いつ、どこで、電話があるか分からないからね。でもね、富高さんに連絡したいときは、どうすればいいの?」富高さんを、諭すように聞いていた。
富高さんは、
「木嶋君が、携帯を持っているので、そちらに連絡をして下さい。」らんに答えたのだ。
らんは、
「富高さんが、携帯を持っていないことは、麻美さんは、理解をしているのですか?」富高さんに尋ねた。
富高さんは、
「うん。麻美さんは、理解をしているよ!」らんに伝えたのだ。
らんは、
「富高さんは、変わっているよ!」苦笑いを浮かべていた。
富高さんは、
「木嶋君、はるかさんから連絡あったの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「もうすぐ、来るんじゃないのかな?それにしても遅いかな!」はるかの到着を待ち侘びている様子。
らんは、
「木嶋君、心配じゃないの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「いつものことですよ!」と、言いつつも、不安になっていた!
心配になって携帯を覗いた瞬間、
「ピローン、ピローン、ピローン」電話が鳴った。
はるかからである。
「もしもし、木嶋です。」
「はるかです。今、関内駅に着きました!どちらに行けばいいのですか?」はるかが、木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「自分より、麻美さんの方が詳しいので、電話を替わります。」はるかに伝え、麻美に代わったのだ。