第142話
「ピンポン」呼び鈴を鳴らした。
先ほどと、同じ女性スタッフが、木嶋たちのテーブルに来た。
「ご注文をお願いします!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「生ビールの中ジョッキを1つお願いします。」女性スタッフにオーダーしたのだ。
「ご注文を繰り返します。生ビールの中ジョッキを1つ…以上でよろしいでしょうか?」木嶋に確認した。
木嶋は、
「はい。」女性スタッフに答えたのであった。
女性スタッフは、木嶋のいるテーブルから離れて行ったのだ。
「麻美さんと会いたくて…今日を心待ちにしていたんですよ!」富高さんは、麻美に話したのだ。
麻美は、
「富高さん、本心で話していますか?」富高さんに、言いながらも表情が緩んでいた。
木嶋は、透かさず察知したのだ。
「麻美さん、顔に出ていますよ!」木嶋は、麻美に突っ込んでいた。
麻美は、
「木嶋君まで、そんなことを言うの?」年甲斐もなく、照れていた。
先ほどオーダーした生ビールのジョッキを、女性スタッフが持ってきた。
「お待たせしました。生ビールの中ジョッキです。」
木嶋は、ジョッキを受け取り、
空ジョッキを手渡したのだ。
「富高さん、飲み過ぎじゃないの?」木嶋も、心配になり、富高さんに声をかけたのだ。
「大丈夫だよ!」富高さんは、木嶋に答えていた。
ビールのジョッキを片手に、ホッケの塩焼きを食べはじめた。
木嶋も、ホッケの塩焼きを食べていた。
「食べるのが、これだけでは物足りなく感じます。サラダや漬け物などをオーダーしますか?」木嶋は、麻美と富高さんに尋ねていた。
麻美は、
「そうだね。チャンコ鍋で野菜は食べることが出来ますが、私も、野菜不足なので、ヘルシーなサラダもいいですね?富高さんは、どう思いますか?」富高さんに聞いていた。
富高さんは、
「ヘルシーなサラダを、オーダーするならいいと思います。それと…漬け物も欲しいね!」麻美に話していた。
麻美は、
「何のサラダをオーダーするかは、木嶋君に一任しましょう。富高君は、漬け物をオーダーしてもらいたいと…。」木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、
「了解しました。」麻美と富高さんに、OKサインを出したのだ。
テーブルの横に置いてあるメニューを、手元に取り、パラパラめくった。
サラダの種類が、5つあったのだ。
木嶋は、富高さんと麻美に、
「どれにしますか?…と」尋ねたのだ。
麻美は、
「最近、カロリーの高い食事をしているので、ヘルシーなサラダがいいな!」木嶋に意見をしたのだ。
木嶋は、
「富高さんは…。」と、聞いていた。
富高さんは、
「自分は、ゴーヤサラダがいいな!」木嶋に答えたのだ。
さすがに、木嶋も困惑していた。
「両方、オーダーしたいが…どちらか1つにしようよ!」木嶋は、麻美と富高さんに話したのだ。
麻美は、
「それなら、富高さんのゴーヤサラダをオーダーしましょう。私のは、いいですよ!みんなで食べましょう!」木嶋と富高さんに提案したのだ。
富高さんは、
「自分のより麻美さんのヘルシーなサラダをオーダーすればいいのに…。」遠慮がちに話していたのだ。
麻美は、
「遠慮しないで…。ここの居酒屋『W』に来たのは、私の意見もあるのです。富高さんのオーダーをしましょう!木嶋君は、意見ありますか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「ありません。」即答したのであった。
麻美の目の奥が、【キラッ】と鋭く光っていた。
その瞬間、木嶋は、何も言えなかったのだ。
再び、ボタンを押した。
今度は、男性スタッフが、木嶋のテーブルに来たのだ。
「ご注文を伺います。」
「漬け物の盛り合わせとゴーヤサラダでお願いします。」木嶋は、男性スタッフに話したのだ。
男性スタッフは、
「ご注文を繰り返します。漬け物の盛り合わせに、ゴーヤサラダで宜しいでしょうか?」木嶋に問いかけたのだ。
木嶋は、
「はい。」男性スタッフに答えたのだ。
男性スタッフは、オーダーの確認が終わったので、木嶋のテーブルを離れて行くのであった。