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第140話

はるかの本心が分からず、木嶋は苦労していた。

「一体、いつになれば本物の恋愛が出来るのだろう?」心の叫びが聞こえてきそうである。

そんな木嶋の心を見透みすかしたように、麻美が話しはじめた。

「はるかさんを、いつまでも追い求めず、他の女性にした方がいい。私だっているよ。」

富高さんは、

「自分も、そう思うよ!」木嶋は、徐々(じょじょ)に追い詰められていた。

はるかと、一緒にいるのが、当たり前で、その生活に慣れてしまい、崩壊した時が恐怖を感じていた。

「それが、一夜いちやだけの女性なら良いのに…。」

行きずりな女性よりも、はるかが良いと思っていた。

「富士松さんの存在も…大きい。」悩むのであった。

女性スタッフが、《飲み物》と《お通し》、《おてふき》を持ち、テーブルに来たのだ。

「こちらは、《お通し》と《おてふき》です。生ビールのお客様。」木嶋に尋ねていた。

すかさず、木嶋と富高さんが、右手を挙げたのである。

女性スタッフが、生ビールの入った中ジョッキをテーブルに置いた。

「烏龍茶のお客様。」

麻美の元に、置いたのだ。

女性スタッフが、木嶋のテーブルから離れていく。

今度は、男性スタッフが、手押てお台車だいしゃで、木嶋のテーブルに来たのだ。

簡易卓上かんいたくじょうコンロを置き、

「チャンコ鍋です。」

コンロの上にセットした。

火をともした。

チャンコ鍋には、ボリュームたっぷりの野菜と魚介類が載っていた。

「ボリュームがあっても、野菜は、すぐに小さくなるよ!」富高さんは、木嶋と麻美に話していた。

麻美は、

「そうだね!…と」木嶋の話すことに理解を示していた。

木嶋は、

「飲み物が、全員に行き渡りましたので、乾杯をしましょう!」麻美と富高さんに同意を求めたのだ。

「そうしよう!」富高さんと木嶋が、ビールの入った中ジョッキを右手に持ち、麻美も、烏龍茶を右手に、

「今日は、麻美との再会を祝して、乾杯〜!」

木嶋と富高さん、麻美は、グラスを、

「カチン」合わせて、音を鳴らし、生ビールを、一口、飲んだのだ。

「いや〜、仕事が終わったあとのビールは最高にうまいね。」富高さんは、嬉しそうに話していた。

木嶋は、

「電車の中でも、富高さんと一緒に、缶ビールを飲んだが、店の中で、生ビールを飲むと味が違うよね!」富高さんと麻美に伝えたのだ。

麻美は、

「木嶋君、電車の中でも飲んできたの?少し、飲み過ぎじゃないの?」木嶋に問いかけていた。

木嶋も、悪戯いたずら好きである。

「麻美さん、自分が家では飲まないのは知っているでしょ…。人付き合いでしか飲まないよ!ここに来る前に、富高さんと話していたんだ。そう話したら…麻美さん、どんな表情するかなって…!」麻美に伝えたのだ。

「木嶋君、本当に信じちゃったじゃない?悪戯が好きなんだから…。」麻美は、木嶋の方に顔を向けて苦笑いを浮かべていたのだ。

麻美の左横には、富高さんが座っていた。

すかさず、富高さんの表情には、満足感が漂っていた。

「まぁ、そんなに堅苦かたくるしく考えなくても…。」富高さんが、麻美をなだめていた。

女性スタッフが、

「お待たせしました。ホッケの塩焼きです。」

木嶋は、すかさず右手を差し延べ、

《ホッケの塩焼き》を受け取ったのだ。

「ご注文の品は、以上です。ごゆっくりとおくつろぎ下さい。」そう言葉を言い残して、テーブルを離れて行った。

富高さんが、

「何か?魚ばかりだよね。」麻美と木嶋に話していた。

麻美は、

「そうだよね。魚ばかり注文したんだね。ヘルシーでいいんじゃない?」富高さんに答えていた。

富高さんは、釣りをやるので、魚に関しては、たくさんの知識を持っているのだ。

最近は、夜釣りに行く機会がないみたいである。

今の時期に、釣り糸を垂らしていても、寒さで風邪を引いてしまうのだ。

木嶋とっては、今の時期、《マラソン、駅伝シーズン》なので、横浜国際駅伝を一人で観戦に行くこともあった。

麻美は、富高さんが、いつも出無精でぶしょうな性格だと思っていたみたいであった。

木嶋は、富高さんが釣りをやることは、前に聞いたことがあった。

チャンコ鍋の香ばしい醤油味が、グツグツと煮立にたっていた。

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