第139話
木嶋が、電話に出た。
「もしもし〜、木嶋ですが…。」
「麻美です。もうすぐ、待ち合わせ場所に着きます。何度か…木嶋君の携帯に電話をしたのですが、話し中だったみたいで、繋がりませんでした。誰かと話していたの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「はるかさんと、会話をしていました。」麻美に答えたのだ。
「そうでしたか?その話しは、あとで聞かせて下さい。今、大通りの近くです。もう少し待っていて下さい。」麻美は、木嶋に伝えて電話を切ったのだ!
木嶋は、
「麻美さん、もうすぐ来るみたいだよ!」左隣りにいた、富高さんに伝えたのだ。
富高さんは、
「何か…待ちくたびれちゃったよ。」木嶋に話したのだ。
「もう少しだから…」木嶋は、苦笑いを浮かべながら、富高さんを宥めていた。
時間が経つにつれ、気温が下がって行く。
【携帯カイロが欲しい】くらいの寒さである!
「木嶋君、暖房の効いた店の中で、ビールを飲もうよ!」富高さんが、珍しく木嶋に催促をしていた。
大通りの歩行者信号が、青に変わり、麻美が、木嶋と富高さんの元に歩いてきた。
「遅れてゴメンね!」
木嶋は、
「富高さんも、苛立っていたよ!いつまで…待たせるのってね!」麻美に伝えたのだ。
麻美は、
「子供が、体調を崩してしまい、病院に連れて行ったりしていて、家を出るのが遅くなってしまったのです。」木嶋に、話したのだ。
木嶋の左横にいた富高さんは、
「それなら仕方ないよ。立ち話しをするより、早く店の中に入りましょう。」麻美と木嶋を、急かしていた。
木嶋も、
「麻美さん、動きましょう!」麻美に伝え、再び、大通りの歩行者信号が青に変わるのを待っていた。
信号が青に変わった。
コンビニの反対側にある居酒屋『W』に向かったのだ。
『W』は、木嶋の地元や会社の最寄り駅にもあるので、違和感なく入ることが出来るのだ。
今の時期は、鍋料理が最高に美味しい季節である。
ドアを開け、暖簾を潜った。
「いらっしゃいませ!」
若い女性スタッフが、木嶋の元に歩いて来た。
「3名様でよろしいでしょうか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「はい。3名でお願いします。」女性スタッフに伝えたのだ。
女性スタッフは、
「ご案内します!」
木嶋と富高さん、麻美は、案内されるままに歩いていく。
少し店の奥に入り、4人掛けのテーブルに座った。
「飲み物が決まりましたら、そちらにありますボタンでお知らせ下さい!」女性スタッフは、木嶋に伝えて、その場を離れていく。
木嶋は、手元にあったメニューを、麻美に手渡した。
麻美は、
「私は、烏龍茶で…木嶋君と富高さんは、何にするのかな?」木嶋と、富高さんに尋ねていた。
木嶋は、
「富高さん、ビールでいいよね?」富高さんに問いただしていた。
木嶋の意見に、
「うん、ビールでいいよ!」富高さんも、賛同したのであった。
木嶋が、ボタンを押し、
「ピンポン」
音が鳴っていた。
先ほど、案内してくれた女性スタッフが、木嶋の元に歩いてきた。
「ご注文を伺います。」
木嶋は、
「生ビールの中ジョッキを2つ、烏龍茶を1つ、チャンコ鍋を3人前。ホッケの塩焼きを1つ。それでお願いします!」女性スタッフに、オーダーした。
女性スタッフは、
「ご注文を繰り返します。生ビールの中ジョッキを2つ、烏龍茶を1つ、チャンコ鍋を3人前。ホッケの塩焼きを1つ。以上で宜しいでしょうか?」木嶋に確認した。
木嶋は、
「OKです。」女性スタッフに右手を挙げた。
女性スタッフは、確認したあとテーブルを離れていく。
麻美が、木嶋に…。
「木嶋君、はるかさんとまだ、ラブラブなの?」冷やかしていた。
木嶋は、
「どうなんだろうね?」麻美の質問に、クエスチョンで答えていた。
麻美の右横にいた、富高さんは、
「いい雰囲気ですよ。《キチン》と交際すればいいのに…木嶋君やはるかさんにも言っているんだ!」麻美に話していた。
麻美は、
「木嶋君が、はるかさんと付き合うとなったら…間違いなく、はるかさんは、離れていくと思うよ。」木嶋に、辛辣な言葉を浴びせていた。
木嶋は、
「何で…そんなことを言えるの…?」麻美に尋ねていた。
麻美は、
「はるかさんから見たら、木嶋君は、お客さん。それ以上でも、以下でもないよ!」木嶋と、富高さんに伝えたのだ。
富高さんは、
「そんなものなのかな?」麻美の言葉に、納得していたのだった。