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第133話

小室さんは、

「富高君が、一度、会っているなら大丈夫だな!じゃあ、木嶋の、行きつけの関内に行ってみようかな?」木嶋と富高さんに話したのだ。

木嶋は、

「ありがとうございます。ちなみに、自分と富高さんは、金曜日、定時間で上がりますので、宜しくお願いします。」小室さんに頭を下げたのだ。

小室さんは、

「分かりました。」木嶋の言葉に理解を示すのであった。

富高さんは、

「それでは、金曜日ね。」木嶋に話し、自分の現場に戻って行ったのだ。

木嶋も、自分の現場に戻った行く。

昼休み終了のチャイムが、

「キーン、コーン、カーン、コーン」鳴り響いていた。

その日の仕事を、残業して終わらせていた。

現場からロッカールームに向かいながら、

「最近、疲れが溜まっているのだろうか?」木嶋は、披露困憊ひろうこんぱいな身体をいたわりながら、そう思わずにいられなかった。

着替えを終え、ロッカールームから出た木嶋は、いつものように、会社の送迎バスに乗り込んだ。

周りを見渡すと、富高さんが、一番奥の座席で、新聞を広げて、読んでいる姿を見つけたのだ。

木嶋は、富高さんが、座っている一番奥の座席に向かって行く。

木嶋が、

「富高さん、お疲れ様。」富高さんに声をかけたのだ。

「あっ、木嶋君。お疲れ。」富高さんは、木嶋に話したのだ。

木嶋は、

「昼休みは、小室さんの元に一緒に行って、理解させて戴き、ありがとうございます。」富高さんにお礼を述べていた。

「大したことは、言っていないよ。率直そっちょくに、感じたことを小室さんへ伝えたかったんだ。」富高さんは、木嶋に話していた。

木嶋は、

「それが、結果的に良かったかも知れないね。」続けざまに、

「良く、話しをするときに、誇大こだいして、話しをする人がいるよね。」富高さんに尋ねていた。

富高さんは、

「自分は、スタイルも良くないし、はるかさんや麻美さん、玲さんたちと話しが出来るだけ幸せだと思っているよ。」木嶋に伝えたのだ。

木嶋は、

「富高さんが、今、話していることは、自分も同意見です。はるかさん、麻美さん、玲さん、全員が営業での付き合いかもね。現実は、今でも、店などで話しや遊んでいられるのを喜ぶべきなのだろう…と。」富高さんに話したのだ。

富高さんも、

「自分も、色んな店で飲んだりしたことはあるが、みんな、一夜いちや限りだよ。」

木嶋の脳裏にぎるのは、今から5年前のことであった。

それは、20世紀末の出来事である。

同年代の大森さんと、会社の最寄り駅近くのクラブ『N』で良く飲んでいた。

そこで、木嶋は、お気に入りの女性がいたが、いつの間にか大森さんの彼女になってしまっていた。

もうくやしい思いはしない。それが、大森さんに対峙たいじするため、木嶋の闘争心にもなっている。

それが、富高さんや小室さんでも、はるかや麻美、玲の3人だけは、絶対防衛ラインとして死守する気持ちでいた。

現状は、いつまで、続けて行くことが出来るのだろうか?それすら見通みとうせない。

アニメのドラえもんが、現代の世界に実在して、木嶋のそばにいたら…。

【タイムマシン】や【タイムテレビ】で、これから起きることが分かるし、対応も出来るのに…。

今は、21世紀である。技術革新が目覚ましい。

明日にでも、完成披露記者会見があっても不思議ではない。いつ出来るのか楽しみにしている。

車にしても、ガソリンで走ってはいるが、地球上の限られた資源であるから、いつ枯渇こかつするのかは判らない。

ふと、われに返った木嶋は、

「自分も、一夜限りがたくさんあった。居心地のいい場所を見つけるのは大変な労力ろうりょくともなう。今は、はるかや麻美、玲の店が居心地がいいよ。」富高さんに伝えたのだ。

富高さんも、うなずいていた。

送迎バスが、最寄り駅に着いた。

バスから降りた木嶋と富高さんは、階段を降りていく。

木嶋の目の前には、富士松さんが歩いていた。

「今の話しを聞かれたかも…タイミングが悪いな!」ボヤくしかなかった。

あとは、金曜日が来るのを待つしかなかったのだ。

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