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第126話

富高さんは、

「木嶋君、そろそろ帰ろうか…!」木嶋に言葉をかけたのだ。

木嶋は、

「もう、そんな時間に…なるの?」ふと、携帯を取りだし、時刻を確認していた。

午後11時になろうとしている。

富高さんは、千葉県船橋から通勤しているので、帰える時間が、遅くなればなるほど、電車の運行本数が少なくなる。

横浜駅から帰るのにも、1時間30分はかかるのだ。

いつもは、麻美のクラブ『U』や玲のクラブ『O』は、関内なので、午後11時前に帰るのが、当たり前になっている。

今日は、はるかのバイトしているクラブ『H』にいる安心感からか、時間を気にしていなかったのだ。

それは、木嶋にも言えることである。

木嶋は、横浜駅から家まで帰宅するのに、30分あれば余裕がある。

「富高さん、そろそろ帰りましょうか!はるかさんも、遅くまでは、クラブ『H』にいることが出来ない人なので…。」木嶋は、富高さんと、はるかに問いかけていた。

はるかは、

「木嶋さん、私以外の女性スタッフと話しでもした方がいいですよ!」木嶋に伝えたのだ。

木嶋は、

「何人も、女性スタッフと話しをするのは、いいですが…振り出しに戻るみたいで…嫌ですね。」はるかに話したのだ。

その話しを聞いて、富高さんも理解をしていた。

「木嶋君は、はるかさん一筋ひとすじですよ。同じ年代の麻美さんや玲さんでもいいのでしょうが…話しにくいみたいだよ。」富高さんは、はるかに話しをしたのだ。

はるかは、

「木嶋さん、嬉しいです。私も、もうすぐ帰りますので、会計をしますか?」木嶋と富高さんに尋ねたのだ。

木嶋は、

「会計をお願いします。」はるかに伝えたのだ。

はるかは、

「分かりました。」木嶋に話し、近くにいた女性スタッフを呼び、両手でバツ印を出したのだ。

女性スタッフが、会計伝票をはるかに渡し、木嶋に手渡したのだ。

富高さんは、

「木嶋君、どれくらいなの?」木嶋に尋ねていた。

木嶋は、少しばかり渋い顔をしながら、富高さんに見せたのだ。

「木嶋君、いい金額だね。」

「まぁ〜今日は仕方ないかな!」木嶋が、富高さんに話していた。

はるかは、木嶋の横から金額を見て、驚いていた。

「今日は、高くなってゴメンね!」はるかは、木嶋と富高さんに頭を下げていた。

「自分の誕生日をお祝いして頂いたことに、感謝しておりますよ。サプライズもあった。心の中に残りますよ。」木嶋は、はるかに感謝の言葉を述べたのだった。

富高さんは、

「自分も、押しかけたみたいで申し訳ないと感じたが、来て楽しかった。次回も来ますよ。」木嶋とはるかに伝えたのだ。

はるかは、

「そうですよ。次回と言うか…来月の建国記念日に来て頂かないと…」しっかりと営業をするのを忘れていなかったのだ。

「金額は、お互いが折半ね!」

木嶋は、富高さんに伝えたのだ。

富高さんは、

「いいよ。」木嶋の申し出に、快諾かいだくをした。

木嶋と富高さんは、財布を取り出し、お金を、はるかに渡したのだ。

はるかは、近くにいた女性スタッフに手渡した。

女性スタッフが、小さい封筒にお釣りを入れて、はるかに渡し、木嶋に手渡した。

木嶋は、

「富高さん、お釣りは、いくらもないので、はるかさんに渡してもいいかな?」富高さんに同意を求めたのだ。

富高さんは、

「そうだね。はるかさん、お釣りは、チップでいいよ。」はるかに話したのだ。

はるかは、

「木嶋さん、富高さん、ありがとうございます。」

はるかの表情が、この時ばかりは、少し緩んでいた。

木嶋は、はるかの表情を見つめながら、

「富高さん、行きましょうか?」

「行こうよ。」

木嶋と共に、席を立ったのだ。

クラブ『H』のドアを開け、鉄の階段を降りていく。

はるかは、

「ありがとうございました。」

手を振り、木嶋も、手を振って応えていた。

横浜駅に着き、改札を通り、木嶋と富高さんは、お互いの帰宅する横須賀線と東海道線のホームに向かい、

発車ベルが、

「プルー」と鳴り響く、横浜駅をあとにしたのであった。

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