第123話
「木嶋君はいいな!はるかさんがいて…。」富高さんは、羨ましそうに、木嶋に話しかけていた。
「何で…そう思うの?」木嶋は、富高さんに尋ねたのだ。
「例え、友達でも…誕生日をお祝いしてくれる人がいるなんて最高だよ!自分に、そんな人がいない…。」富高さんは、木嶋に話したのだ。
「実際、どうなんだろうね?誕生日をお祝いすると言っても、ここでは…クラブ『H』の女性と、お客さんの関係。それは、麻美さんも話していたよ。富高さんの意見に対して…はるかさんは、どう思っているのかな?」木嶋が、はるかに問いかけていた。
はるかは、
「前にも話しましたが、木嶋さんや富高さんと一緒にいると…何故か…安心していられるのです。」木嶋と富高さんに答えたのだ。
富高さんは、
「安心って…どう言うこと…なんだろう?」
はるかは、
「上手くは、言えないのですが、気を使わなくていいと…。」富高さんに話したのだ。
木嶋は、
「富高さん、はるかさんに、話したことがあるのですが、自分たちと一緒にいる時は、《リラックス》していいよ!そう言いましたよ!」富高さんに話していた。
富高さんは、
「そうだよね!夜の仕事をしていると、《ギスギス》しているし、息が詰まりそうなのも判るね。木嶋君の言っていることが正論なのかも知れない!」木嶋と、はるかに話していた。
はるかは、
「富高さんが、今、話している通りですよ!」富高さんの回答に賛同していた。
木嶋は、
「正直に言えば、はるかさんで良かったか?悪かったか?答えが出ないと思います!自分が、知らない部分もあるので、色んなことを吸収出き、教えて戴いているからね!」はるかと富高さんに伝えたのだった。
女性スタッフが、木嶋のいるテーブルに、小さいデコレーションケーキを持って来たのだ。
デコレーションケーキには、
【ハッピーバースデー】と白地のプレートにチョコレート文字で書かれていた。
大きな蝋燭が、3本立ててあり、はるかが、ライターで火を点した。
木嶋は、はるかの粋な演出に、嬉しい気持ちでいた。
「バースデーケーキが出てくるなんて…」
《聞いてないよ〜。》
似ても似つかない…
【ダチョウ倶楽部】のモノマネをした。
これには、はるかも、富高さんも、笑うしかなかった。
一呼吸置いて、
蝋燭に、点されていた火を
【フーッ】…と、息を吐き、消したのだ。
その瞬間、周りにいた人たちから、
【パチパチ】と拍手が沸き起こっていた。
これには、シャイな木嶋は、恥ずかしそうに恐縮していた。
はるかから、
「木嶋さん、私からの誕生日プレゼントです!」木嶋に手渡した。
包装紙を見ると、高島屋であった。
木嶋は、
「はるかさん、今日、少し遅れて来たのは、高島屋でプレゼントを買っていたからなの?」はるかに聞いていた。
はるかは、
「そうです。何日も前から、何をプレゼントしようかと悩んでいたのです。なるべくなら実用的な物がいいと結論になりました。」木嶋と富高さんに話したのだ。
富高さんは、
「木嶋君、はるかさんは、気を使っているよ!」木嶋に言葉をかけたのだ。
木嶋は、
「はるかさんに、悪いことをしたかな?」はるかに問いかけたのだ。
はるかは、
「そんなことないですよ。木嶋さんには、日頃からお世話になっていますからね。」木嶋の話しに言葉を投げ返したのだった。
「自分も誕生日を、誰かお祝いしてくれないかな?」富高さんが呟いていた。
木嶋の右横にいた、はるかが、
「私で良ければ、お祝いしますよ!」はるかが、富高さんに尋ねていた。
富高さんは、
「木嶋君に悪いよ!」木嶋に謙遜していた。
木嶋は、
「次は、富高さんの誕生日を、クラブ『H』でやろうか?」はるかと、富高さんに問い掛けたのだった…。