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第12話

木嶋と富高さんは、とあるビルの前に立ち止まった。木嶋が麻美に電話した。

「プルッ、プルー、プルー」

呼び出し音が鳴り響いている。

電話に麻美が出た。

「もしもし、麻美ですが…。」

「木嶋です。今、麻美さんがいるビルの前に立っています。何階ですか?」

木嶋が、麻美に聞いたのだ。

麻美は、

「ビルの5Fですよ。店の名前はクラブ『O』です。」

木嶋は、

「分かりました。5Fのクラブ『O』ですね。今から行きます…。」麻美に伝えて電話を切った。

木嶋は、富高さんと一緒にビルの中に入り、エレベーターに乗り、5Fのボタンを押した。

エレベーターが、目的階の5Fに着き、ドアが開いた。

フロアーを少し歩いた。

クラブ『O』のドアを開けた。

「いらっしゃいませ!」威勢のよい声が店内に響き渡る。

一人の女性が木嶋の元に歩いてきた。それは麻美であった。

「木嶋君、いらっしゃい。富高さんも一緒でしたか…。こちらにどうぞ。」

木嶋と富高さんは、麻美のあとを歩いていく。

富高さんは、

「この間、木嶋君と一緒に行った店は、雰囲気が良かったが、この店も、雰囲気がいいよね。」木嶋に話している。

木嶋も、

「そうだね。品があると言うか高級感があるよね。」富高さんに話した。

麻美が、

「カラオケが出来る部屋があります。良かったら歌いながら話しませんか!」木嶋に尋ねた。

木嶋は、

「どうしますか?麻美さんとは、久しぶりに会ったので、滅多にない機会なのでカラオケの出来る部屋に行きますか…?」

富高さんに聞いたのだ。

「そうだね。カラオケもいいね〜。歌いながら話そうよ!」富高さんが木嶋に言葉を返した。

木嶋は、

「じゃあ、カラオケが出来る部屋でお願いします。」

麻美に伝えて、カラオケの部屋に案内していった。

少し、遅れて一人の女性が入って来た。

木嶋の右横に座り、

「玲です。」自己紹介をした。

木嶋は、

「どうも、初めまして、木嶋と言います。左隣にいる人は、富高さんと言います。同じ会社の同僚です。宜しく!」玲に挨拶をした。

富高さんの左横に麻美が座った。

玲は、木嶋と富高さんのことを事前に麻美から聞いていたのだ。

「木嶋さんと富高さんは、麻美さんが、この店に移動してくる前の横浜駅近くにある、クラブ『H』で知り合ったんですよね!」木嶋に聞いてきた。

木嶋は、

「そうです。クラブ『H』で知り合いました。自分は、麻美さんと会うのが今回を含めて3回目で、最初に富高さんが会ったのが麻美さんが最後の日です。今回が会うのは2回目だよね?富高さん…。」富高さんに尋ねている。

「そうなんだよ。前回、麻美さんと会ったのがその店で最後だったみたいで…自分は、携帯を持っていないから木嶋君が、麻美さんと連絡を取っているんだ。」富高さんが木嶋に話している。

木嶋は、

「それは、実際、本当の話しですよ。」玲に、話している。

玲は、

「麻美さん、富高さんが携帯を持っていないのは本当なの?」麻美に聞いている。

麻美は、

「富高さんが、携帯を持っていないのは本当よ。いつも連絡をくれるのは木嶋君。たまに木嶋君の携帯で声を聞くことはあるよね!」木嶋と富高さんに同意を求めた。

二人は、

「うんうん」頷いていた。

玲は、納得した表情になったのだ。

玲は、

「そう言えば木嶋さん、麻美さんがいた横浜のクラブ『H』にお気に入りの女性がいるって聞いたんだけど…本当なの?」木嶋に聞いたのだ。

木嶋は、カラオケで長渕剛の《とんぼ》を歌いながら答えた。

「お気に入りの女性はいますよ。まだ、10代後半で名前は、《はるか》って言うんだよね!可愛いんだ!」ノロけていた。

続けざまに、

「麻美さんがラストの日も富高さんと一緒に、はるかさんを含めて4人で飲んでいたよ。」玲に自慢げに言っていた。

麻美も、

「玲さん、木嶋君がお気に入りの、はるかさんは可愛いよ。ねっ、富高さん…!」富高さんに尋ねた。

富高さんは、

「自分も、この間って言うより去年だが、結構、自分も可愛いと思いますよ。マジで…。」玲に、話している。

玲は、

「私も、はるかって女性に会ってみたいな。木嶋さん、今度、お店に連れて来て下さい。」木嶋に聞いている。

木嶋は、

「はるかさんは、クラブ『H』で、働いていますが、昼間も何かしているみたいです。今度、連れて来れる機会があれば一緒に来ますよ。先日、会った時、意外なことが起こったんだよね!」玲に、意味深な発言をしている。

玲は、

「何かあったの…?」木嶋に問いかけている。

木嶋は、

「いや〜」右手を、頭に載せながら、照れ隠ししている。

「友達として付き合って下さいと言われてね…。」玲に、話している。

玲は、

「友達として付き合ってと言われてどうしたの?」木嶋に聞いた。

木嶋は、

「一瞬、戸惑いがあったんだが、付き合いを始めたんだ!」玲に答えた。

富高さんがカラオケで、サザンオールスターズの《いとしのエリー》を歌っている。富高さんの、左横にいた麻美が木嶋の発言を聞いて、驚いた表情を見せながら木嶋の左横に移動して来たのだ。

「木嶋君、冗談でしょう。はるかさんと友達として付き合いを始めたなんて…冗談も程々にして下さい。」麻美が、木嶋に尋ねている。

木嶋は、

「冗談ではなくて、本当の話しですよ。」カラオケを歌い終わった富高さんも、麻美の左横にいる。

麻美が、

「木嶋君、はるかさんと例え、友達として付き合っても苦労するわよ。結構、わがままみたいだから…それに、まだ若いし…」木嶋に忠告をしている。

木嶋は、

「そうかな?自分は、若い女性と接する機会がないからと思うんだがね…。」麻美の忠告が、当たるとは木嶋は、思わなかったのだった。

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