第117話
木嶋は、待ち合わせ場所のコーヒーショップ『Y』に着いた。
富高さんと一緒に、階段で2F上がって行く。
「カパッ、カパッ、カパッ」靴の音。
2Fフロアに着いた木嶋は、空いている座席を見渡していた。
いつも、座るコーナー席は、先客がいた。
少し離れて、角の席が空いていた。
木嶋と富高さんは、そこに、はるかの席を確保して、座ったのだ。
店員さんが、メニューを持ちながら、木嶋のテーブルに来て、
「いらっしゃいませ。」声をかけた。
木嶋は、店員さんからメニューを預かり、富高さんに手渡したのだ。
「ご注文が決まりましたら声をかけて下さい。」木嶋に話し、その場を離れたのだ。
富高さんは、メニューをパラパラめくりながら、
「木嶋君、何にする?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「何にしようかな?」悩んでいた。
コーヒーショップ『Y』に来る度に、オーダーするメニューが固定化されていた。
「ケーキセットにしようかな?飲み物は、ホットコーヒーでいいかな?」木嶋は、富高さんに答えていた。
富高さんは、
「自分は、ホットコーヒーでいいや!」木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、近くにいた店員を呼んだのだ。
「ご注文をお伺いします。」
「ミルフィーユのケーキセットで、飲み物は、ホットコーヒー。こちらが、単品のホットコーヒーでお願いします。」木嶋が、店員さんに、オーダーを伝えたのだ。
店員さんは、ハンドヘルトを持ちながら、
「ご注文を繰り返します。ミルフィーユのケーキセットで、飲み物がホットコーヒー。それと単品のホットコーヒーが1つ。以上で宜しいでしょうか?」木嶋と富高さんに確認をしたのだ。
木嶋と、富高さんは、声を揃えて、
「OKです。」そう答えたのだ。
「畏まりました。少々、お待ち下さい。」店員さんは、木嶋と富高さんに告げて、メニューを下げて、テーブルから離れて行ったのだ。
「木嶋君、いつも、このお店に来るの?」富高さんが、木嶋に聞いていた。
「自分一人では来ないね。はるかさんとの待ち合わせ以外には…。何もなければ、そのまま真っすぐ帰宅しますよ。目的があるなら別ですよ。」木嶋は、富高さんに話したのだった。
富高さんは、
「そうだよね。一人で時間を潰すのは、結構、《キツイ》かもね。自分も、東急ハンズやはるかさんのクラブ『H』しか横浜に来ないからね。」木嶋に答えたのだった。
店員さんが、木嶋の元に、先ほどオーダーした物が運ばれてきた。
「ミルフィーユのケーキセットです。」
木嶋のところに、ケーキを置いたのだ。
「続いて、ホットコーヒーです。」
富高さんと、木嶋に置いたのだった。
「ご注文は以上です。」店員さんが、テーブルを離れて行ったのだ。
木嶋が、ミルフィーユのケーキを一口食べようとしていた。
その時…
「ピローン、ピローン、ピローン」
木嶋の携帯が鳴り響く。
木嶋が、電話に出たのだ。
「もしもし、木嶋ですが…。」
「はるかです。木嶋さん、今、どちらにいますか?」はるかは、木嶋がいる場所を確認していた。
「今は、コーヒーショップ『Y』2Fフロアにいますよ。」はるかに話したのだ。
はるかは、
「今、向かいます。」木嶋に伝えて、電話を切ったのだ。
「富高さん、今から、はるかさん来るみたいですよ。」 「了解です。」木嶋に伝え、表情には笑みが零れていた。
階段を、
「カッ、カッ、カッ」ブーツの音を響かせながら、はるかが上がって来た。
はるかは、
「富高さん、一緒にいたのですか?」驚いた表情を見せたのだ。
木嶋と富高さんは、
「ニヤッ…と」笑みを浮かべていたのだ。