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第116話

戸塚駅の改札を通り、東海道線のホームに着いた木嶋と富高さんは、冬の寒空の中で電車を待っていた。

平日よりも、電車を待っている人が少なく感じていた。

木嶋が、気が着いた。

「そうだ。まだ会社が始まったばかりだよ。」所謂いわゆる正月ボケであった。

時刻表を見ると、電車が到着するまで、あと5分ぐらいあった。

木嶋は、

「富高さん、どうしますか?」右隣りにいた富高さんに相談したのだ。

富高さんは、

「待ち時間があるのなら、売店でビールでも買って来ようかな?」木嶋に問いかけていた。

「富高さん、今、ビールを買っても、横浜まで着く時間は、およそ10分ぐらいですよ。飲み切ることが出来ますか?」木嶋は、富高さんに話していたのだ。

「横浜まで…10分か…。チョット微妙だね。はるかさんと会ったあとに、どこかで2人で飲もうよ。」富高さんは、木嶋に提案をしていた。

木嶋は、一瞬、躊躇ためらいもあった。

「どうするべきか?」

思案している時に、東海道線がホームに入ってきたのだ。

「ガタン、ゴトン、」

「キー」車輪が止まって、ドアが、

「プシュー」開いたのだ。

乗り降りする人が、平日より少ない。

電車に乗り、空いている座席に、木嶋と富高さんは座ったのだ。

発車ベルが、

「プルー」鳴り響いていた。

ドアが、

「プシュー」閉まり、電車が発車した。

木嶋は、

「富高さん、先ほどの話しですが、はるかさんと別れたあとで、飲みに行きましょう!」富高さんの提案に合意をしたのだった。

富高さんは、

「木嶋君、はるかさんに、話しをしなくてもいいの?」木嶋に尋ねていた。

木嶋は、

「はるかさんに、言えば確実に、【クラブ『H』に一緒に行って飲みましょう。】と話すと思うよ。それなら言わない方が得策と考えますよ!」富高さんに伝えたのだった。

いつもの木嶋なら、はるかに、正直に話しをするのだ。

今回、はるかに話さないのは、今年は、まだ始まったばかりであると同時に、年末年始で、お金を支出していたのだ。

木嶋は、はるかには、背伸びをして、余りお金を使っていないと強がりを見せていたのだ。

男性は、好きな女性がいると、自分が欲しい物を買うよりも、女性にプレゼントをしたくなる。

それが、木嶋の場合は、はるかなのだ。

良く会社の同僚などに言われることは、木嶋に、頑固がんこめんがあると言われるが、自分自身は、そう感じてはいなかったのだ。

車内アナウンスが、

「間もなく…横浜、横浜です。相鉄線、市営地下鉄線、京浜急行線、京浜東北線は、乗り換えです。」

「もう、横浜駅に到着か…早いな。」木嶋と富高さんは、話しに夢中で時間が経つのを忘れていた。

電車が、横浜駅のホームに入って行く。 乗り換える人も多い。

さすが神奈川県で、乗降客数…《No.1》で、全国屈指くっしのターミナル駅だ。

木嶋の地元も、乗降客はいるが、横浜駅にはかなわない。

ホームに降りた木嶋と富高さんは、階段を降り、改札口に向かったのだ。

改札を出てから、木嶋は、

「富高さん、はるかさんに電話するので、チョット立ち止まって下さい。」富高さんに声を掛けたのだ。

富高さんは、

「分かった。」木嶋に答えたのだ。

木嶋が、携帯を取り出し、はるかに電話をした。

「プルッ、プルー、プルー」呼び出し音が鳴り響いていた。

はるかが、電話に出たのだ。

「もしもし、はるかで〜す。」

「木嶋です。今、横浜駅に着きました。どこで待ち合わせしますか?」木嶋は、はるかに問いかけていた。

はるかは、

「どこにしようかな?いつものコーヒーショップ『Y』で待っていて下さい。」木嶋に伝えたのだ。

木嶋は、

「了解しました。」はるかに伝え、電話を切ったのだ。

この時、はるかには、富高さんと一緒にいることを、伝えていなかった。

木嶋が、富高さんの元に歩いていく。

「富高さん、待ち合わせ場所に歩いて行きますよ!」木嶋は、富高さんに声を掛け、

富高さんも、

「行こうよ!」歩き出したのだった。

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