第110話
ポケットから携帯を取りだした。
「麻美さん、先日は、誕生日のお祝いの誘い、ありがとうございます。1/11(土)、クラブ『H』で、はるかさん同席で、誕生日を祝って頂く予定です。麻美さんのクラブ『U』は、1月末ぐらいになる予定です。ご理解のほど、宜しくお願いします。」木嶋は、麻美にメールを送信したのだった。
木嶋は、玲にも、話しをしないといけないと思っていた。
先ほど、麻美に送信したメールの内容を、読み込み再編集したのだ。
「玲さん、誕生日のお誘い、ありがとうございます。1/11(土)に、はるかさんの店で、お祝いをして頂く予定です。玲さんのクラブ『O』には、2月の玲さんの誕生日前後か、3月になってしまうかも知れませんが、それまでには、行く予定です。先の長い話しで申し訳ありませんが、ご理解のほど、宜しくお願いします。」頭を下げた、顔文字入りのメールを送信したのだった。
あとは、麻美と玲からの回答を待つしかなかった。
時間にして、2時間ぐらいが経過したのだろうか?
木嶋の携帯に、着信のランプが点滅していた。
「何の着信かな?」携帯を取りだし、画面を確認した。
メールの着信であったのだ。
木嶋は、受信ボックスを開いた。
麻美と玲からの返信メールだった。
最初に、メールを読んだのは、麻美のメールだった。 「木嶋君、お久しぶりです。誕生日のお祝いをしてくれるなんて、はるかさん、優しいじゃないですか?木嶋君には、一番良かったのではないですか?1月末に、来て頂けると書いてありましたが、富高さんと話した結論なのでしょうか?決定ならいいですが…。連絡をお待ちしています。」
木嶋は、直ぐに、メールを打っていた。
「麻美さん、返信して頂き、ありがとうございます。明日、昼休みに、富高さんに話す予定です。結論が出れば、その場で回答します。」麻美に、返信メールを送ったのだった。
麻美からの返信メールを受信したのだ。
「明日、昼休みに回答をワクワクしながら待ってます。」敬礼入りの顔文字で、メールが来たのだった。
木嶋は、
「了解しました。」メールを送信したのだった。
もう一件、玲のメールを、木嶋は、開いたのだった。
「お久しぶりです。そっか…。はるかさんに誕生日を祝って貰うんだ。木嶋君が好きな女性だよね。私は、いつ来てくれてもいいよ!送信してくれたメールに書いてあったように、私の誕生日が2月なのは、覚えてくていたのが嬉しい!2月中に来て欲しいな!そうすれば、木嶋君と私の誕生日とWで、お祝い出来るよね。誕生日プレゼントも用意してあるからね。富高さんにも、《宜しく》と言って下さい。」
木嶋は、
「ありがとうございます。富高さんには、話しておきます。なるべく2月中に、クラブ『O』に行けるように調整をします。」玲にメールを送信したのだった。
10分ぐらいしてから、再び、玲からのメールを受信したのだ。
「木嶋君、宜しくね!」木嶋は、その一行のメールで、内容を理解したのだった。
「2人とも、理解があって良かった。」
木嶋の表情に、安堵感が漂っていた。
翌日になり、会社に出勤した木嶋は、昼休みに富高さんの現場まで歩いて行ったのだ。
「富高さん、こんにちは。」木嶋が、富高さんに挨拶をしたのだ。
「木嶋君、こんにちは。何かあったのかな?」富高さんが、木嶋に問い掛けたのだ。
木嶋は、
「麻美さんと玲さんの店にいつ行こうか?と日時を決めに来たんだ。」富高さんに尋ねたのだ。
富高さんは、
「そうだね。いつでもいいよ!木嶋君が決めて…。」木嶋に一任したのだった。
木嶋は、少し困惑していた。
「富高さん、麻美さんとのメールの会話を読む?その方が、話しもスムーズだよ。」富高さんに、麻美とのメールの受信履歴を見せたのだ。
富高さんは、
「木嶋君、今月、誕生日だったんだ。早く麻美さんにお祝いをして頂いた方が良かったんじゃないの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「はるかさんとの約束もあるので、麻美さんのクラブ『U』は、1月末でいいかな?玲さんの店は、また後日決めましょう。」木嶋は、富高さんに同意を求めたのだった。