第109話
《サプライズ》を期待しない方がいいと感じていた。
木嶋は、
「メールでは、話しがしずらいので、今から電話で話しませんか?」はるかにメールをしたのだった。
はるかは、
「今は、電車に乗って横浜駅に移動中なので、チョット無理ですね。後20分ぐらいしたら電話に出られますよ。」木嶋にメールを返信したのだった。
木嶋は、
「分かりました。後ほど、時間を見計らって電話をします。」はるかに、再度、メールを送信したのだった。
はるかは、
「電話を待ってま〜す。」笑顔の顔文字入りのメールを、木嶋に送信したのだった。
木嶋は、
「笑顔の顔文字入りとは…。」はるかのメールを読み、苦笑いを浮かべていた。
左腕にしていた腕時計を覗くと、メールを終えてから、30分が経過していた。
携帯を取り、はるかに電話をしようとしたら、着信があったのだ。
「誰からだろう?」木嶋が、携帯の着信履歴を見ると、はるかからだった。
木嶋は、
「何で気がつかなかったのだろう。」疑問心を抱いていた。
冷静に考えた。
「ワン切りなら気がつかない!」木嶋は、そう考えたのだ。
着信履歴から、はるかに電話をしたのだ。
「プルッ、プルー、プルー」呼び出し音が鳴っていた。
はるかが、電話に出たのだ。
「もしも〜し、はるかですが…。」
「木嶋です。先ほどは、電話に気がつかずに申し訳ない。クラブ『H』の出勤前に電話をしてゴメンね!」
はるかは、
「木嶋さんと話しが出来るのが、私は、嬉しいですよ。」はるかは、木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「今、手元に手帳があるので、日にちを決めたいのですが…いいですか?」はるかに、日にちの相談をしたのだ。
はるかは、
「メールでは、年明けの土曜日と話していましたよね?」木嶋に聞いていたのだ。
木嶋は、
「メールでは、そのように話しましたが、日にちを決めないと、はるかさんに迷惑が掛かるので、設定したいと思います。」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「そうですね。日にちを決めましょう!何時が、都合がいいですか?」木嶋に聞いたのだ。
木嶋は、
「年明けの土曜日は、1/11(土)がいいですね。会社は、普通出勤になっていますので、自分のいる現場は、基本的に週末は、定時間で終わるので大丈夫ですよ!」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「私は、クラブ『H』の出勤日ですから問題ないですね。木嶋さん、年末年始で、たくさんお金が支出したのではないですか?」木嶋の財政事情を気にしていた。
木嶋は、
「年末年始で、支出はありましたが、自分が想定していたほど、支出していません!大丈夫ですよ。」はるかに話したのだ。
はるかは、
「分かりました。安心しました!木嶋さんとクラブ『H』に一緒に行くのも、久しぶりですね。」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「そうだね。最近は、はるかさんが、先にクラブ『H』にいて、後から合流みたいな感じが多かったよね!富高さんと行ったときもそうだったよ。」はるかに伝えたのだ。
「そうですよ。木嶋さんと一緒に、クラブ『H』へ行かれないことが、どんなに寂しいことだと思いますか?」はるかは、強い口調で木嶋に問い詰めたのだ。
木嶋は、
「申し訳ないね!迷惑ばかりかけて…。でもね。自分は、はるかさんのことを片時も忘れたことはないよ。」はるかに伝えたのだ。
今でも、木嶋の脳裏には、1年3カ月前に、クラブ『H』で、《麻美と、はるか》の出会った時の残像が鮮明に残っていた。
木嶋の、記憶に残るのは、それだけ《強いインパクト》があるのだった。
はるかは、
「木嶋さんと待ち合わせする時間は、金曜日までにメールで連絡をします。」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「了解しました。金曜日までに決めて下さいね!」はるかに確認したのだ。
はるかは、
「は〜い。分かりました。1/11(土)を楽しみにしています。またね。」木嶋に話したのだった。
木嶋の誕生日を、はるかが祝ってくれる日を、心待ちにしていた。
木嶋は、あることに気がついた。
それは、麻美からの誘いがあるのを思い出していた。
「麻美さんの誘いを断らないといけないかな?」少し後ろめいた気持ちになっていた。
木嶋は、意を決して、
「麻美さん、大変、申し訳ない。誕生日は、はるかさんのいるクラブ『H』でお祝いをして貰います。まずは、連絡まで。」麻美にメールを送信したのだった。
麻美からのメールが来るのが、正直、怖く感じ始めていた。
「麻美さんなら理解をしてくれる。」木嶋は、そう思い込んでいたのだった。