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第103話

はるかは、明るい女性である。

木嶋には、無いものを持っているのだ。

かわいい顔に、かれて行くのは当然だ。

はるかが、左手にしていた腕時計を覗くと、時刻は、午後8時になろうとしていた。

「木嶋さん、おなか空きませんか?ご飯でも食べて行きませんか?」木嶋に尋ねていた。

木嶋も、

「いいね〜!食べて行こうか?どこにしようか?」はるかに聞いたのだ。

はるかは、

「そうですね〜。いつも、カフェレストラン『F』で、食べている機会が多いので、今回は、ポルタ地下街のお店で食べてみたいなと思うのですが…どうでしょうか?」はるかが、木嶋に問いかけていた。

木嶋は、

「ポルタ地下街ですか?賛成です。同じ店に行って、顔なじみになるのも一つの選択肢せんたくしですが、ポルタ地下街は、【そごう】に行く時ぐらいしか通らないので、ぜひ、行ってみたいなと思います。はるかさんが、先に行って、お気に入りの店があれば、そこでいいよ。」はるかに答えたのだ。

はるかは、

「判りました。私も行きたいお店がありますが、店のメニューや混雑状況で変えますが、それでいいですか?」木嶋に聞いていた。

木嶋は、

「それでいいですよ。自分は、動くより、ここで新聞を読みながら、くつろいでいるので、決まったら電話を下さい。」はるかに話したのだ。

はるかは、

「分かりました。」左手にコートを、右手にバックを持ちながら、木嶋のいる席を立ったのだ。

「あとで、連絡するので、待っていて下さいね。」はるかは、木嶋に話したのだ。

木嶋は、

「なるべく早くに、連絡下さい。」木嶋は、はるかに伝えたのだ。

はるかは、

「は〜い。」木嶋に返事を返して、歩き出したのだ。

木嶋は、手にしていた夕刊紙を再び、取り出し、読み更けていた。

「どんな店を、探してくるのだろう?」木嶋の胸に、期待と不安が去来きょらいしていたのだ。

「すぐには、電話は来ないかな?」そう感じていても不思議ではない。

木嶋は、はるかと待ち合わせするときは、待つ時間が長いのだ。

もっとも、はるかが、クラブ『H』に行く日は、待ち時間は少ないが、ルーズなのは、最初にデートのときからである。

木嶋も、仕事の都合で、待ち合わせに遅れるのはあるが、約束の時間には、横浜駅に着いていて、待ち合わせ場所にいるのだ。

遅れそうな時は、はるかに、連絡をしているから怒られることは、まずはないのである。

女性は、時間にルーズな人が多い。随分、昔に、高校の後輩と交際をしていた時も、多少、待っていたこともあったので、当たり前に思っていたのだ。

社会人になり、陸上を通じて、知り合った仲間は、《飲み会》や《スキーツアー》などで遊びに出かけていても、待ち合わせ時間に来ていたので、約束を守るのが、木嶋自身も当然に思えていたのだ。

はるかと交際を始めた頃は、些細ささいなことで、喧嘩けんかをしていたが、最近になり、あきらめも肝心かんじんだと感じていたのだ。

木嶋が、腕時計を覗くと、20分ぐらいが経過していた。

木嶋は、

「はるかのお気に入りの店が混んでいるのかな?」少し、呟いていた。

夕刊紙も、何度も目を通していると、読む記事がない。

携帯を取り出し、Yahoo!のホームページを、クリックしようとしていた。

その時、はるかからの着信音が、

「ピローン、ピローン、ピローン」鳴っていた。

木嶋は、

「もしもし、木嶋ですが…。」

「はるかです。お待たせして申し訳ありません!場所は、ポルタ地下街に『自然じねんや』と言うお店があるので、私が先に入っていますので、お店の前に来たら電話をして下さい。」木嶋に伝えたのだ。

木嶋は、

「分かりました。店の前に着いたら連絡をします。」はるかとの会話を終え、電話を切ったのだ。

会計伝票を持ち、1Fフロアにあるレジで支払いをしたのだ。

外は暗くなり、時間帯も週末の土曜日だ。人通りも多く、赤ら顔のおじさんたち、カップルが、腕を組み肩を寄せて歩いていた。

その人たちの横を、はるかの待つ『自然や』に向かって歩いていたのだった。

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