表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/968

第100話

木嶋は、どんなに仕事が忙しくても、はるかと一緒に時間を共有したいのだ。

それが日常なのだ。

万が一、はるかが、木嶋の元から離れてしまった時、横浜駅で乗り換えている楽しみが無くなってしまう。

麻美が、木嶋に話しているように、《単なるお客さんとホステスの関係。過度の期待は禁物。》と言われても無理もない。

はるか以上の女性を探すとなると、少なくとも、一年以上の歳月さいげつが掛かると感じていた。

はるかから、富士松さんに、方向転換するのも次なる一手だ。

富士松さんに、告白をして、フラれた時のリスクを考えると反動が大きすぎる。

はるかの存在は、木嶋には大きい過ぎるのだ。蟻地獄ありじごくに、落ちたまま、ハマって抜け出せずにいたのだった。

携帯が、

「ピローン、ピローン、ピローン」鳴っている。 木嶋は、電話に出た。

「もしもし、木嶋ですが。」

「はるかです。木嶋さん、今、どこにいるのですか?」はるかは、木嶋に尋ねていた。

木嶋は、

「今ですか?どこに行こうかと迷いましたけどね!東急ハンズにいますよ。」はるかに答えたのだ。

はるかは、

「東急ハンズですか!私も、買いたい物があるので、行ってもいいですか?」木嶋に聞いていた。

木嶋は、

「いいですけど、クラブ『H』の出勤時間は大丈夫なのですか?」心配になり、はるかに尋ねたのだった。

はるかは、

「私は、今日、クラブ『H』はお休みにしてあります。時間的にゆとりがあります。木嶋さんは、大丈夫ですか?」

木嶋は、

「いつも会う時間が短いので、今日は、遅くまでいいですよ。」はるかに話したのだった。

はるかは、

「分かりました。これから東急ハンズに向かいますので、待っていて下さい。」木嶋に伝えたのだ。

木嶋は、

「分かりました。東急ハンズで待っているので、着いたら連絡を下さい。なるべく早く来てね!」はるかに話したのだ。

はるかは、

「は〜い。」元気な声で木嶋に話し、電話を切ったのだった。

はるかが、クラブ『H』に出勤の日は、会う時間が限られている。

コーヒーショップ『Y』やカフェレストラン『F』に入っていても、短時間の間に、料理を出せるメニューが中心で、オーダーしているので、落ち着いて話しをする時間が少ない。

唯一ゆいいつあるとするなら、はるかと一緒に、クラブ『H』に行く時だけかも知れない。

もちろん、木嶋が一人ひとりで行く場合は、極まれである。

富高さんと一緒に行けば、木嶋も安心なのだ。

気掛かりなことは、富高さんが、携帯電話を持っていないのが難点なのだ。

携帯があると、便利なことに目を奪われがちになる。その反面、プライベートに干渉しすぎてしまう。

それが良いのか?悪いのか?人それぞれだと、木嶋は思うことも多々あるのだ。

木嶋は、東急ハンズの道工具フロアで、道具を見ていた。

はるかから、電話がきてから15分ぐらいが経過していた。

木嶋も、しびれを切らしていた。

段々とイラついている。

「いつものことながら、時間にルーズだな!」木嶋もボヤくよりも溜め息を出すしかなかったのだ。

木嶋の行動を察知していたのか?

着信履歴を覗くと、はるかからの着信が5件あったことに気がつかなかった。

慌てて、はるかに電話をしたのだ。

「プルッ、プルー、プルー」呼び出している。

「もしもし、はるかです。」はるかが電話に出たのだ。

木嶋は、バツが悪そうに、

「着信に気がつきませんでした!申し訳ありません!」はるかに謝罪をしたのだ。

「木嶋さん、何回も掛けたのに、気がつかないなんて…気をつけて下さい。」はるかが、電話口で木嶋に怒っていた。

「電波の状態も悪くて…。」はるかに答えたのだ。

「仕方ないですね。」はるかは理解をしたみたいであった。

続けて、

「今、何階のフロアですか?」はるかは、木嶋に聞いたのだった。

「道工具売場です。」

「そのフロアから動かないで下さい。」木嶋に伝えたのだ。

木嶋は、

「気長に待ちますよ。」木嶋は、はるかに答えるしかなかったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ