表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の容量無制限アイテムボックスの中でビッグバンが起こった件  作者: 茶太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/30

新しいモフモフを捕まえた

 ジマリーノの森は、初心者の冒険者が探索するのにちょうど良い難易度の森だ。

 ホーンロッピーなどの魔物だけでなく、普通の鹿やイノシシなどもいる。

 モフモフを捕まえるのもいいが、鹿などを狩って持ち帰るのも今回の狩りの目標だ。


「現実的には鹿かイノシシを一匹狩れればいいほうかなー。私はミューちゃんと鍛えてるから大丈夫だがケイは初めてでしょ、大丈夫?」


 アリスが心配してくれる。

 俺は普段訓練で使っている訓練用の槍ではなく、親父のお古の実戦用の槍をかりて今回の狩りに望んでいる。


「正直、ちょっと緊張している。このよく切れそうな槍だって初めてだからな」


「そういえば索敵がなんとかなるって言ってたけど、ターゲットは見つけられそう?」


「索敵は時空魔法の空間把握っていう魔法なんだが、これで周囲を探れるんだ。もうちょっと奥に入ったら試してみるか」


 俺たちはそうして少し奥に入っていく。

 奥といっても浅域であることにかわりはないのだが。

 俺は空間把握に集中する。

 練習を初めて二ヶ月ぐらいたち、周囲20メートルぐらいを大雑把に把握することができるようになっている。

 範囲内に動物は……いた!

 右前方15メートルぐらいのところに俺たちから離れていく小動物の姿を感知した。


「ちょっと行ってくる!クロックアクセル!」


「え、待って!」


 アリスがなんか言っているが小動物に逃げられる前に捕まえるのが先だ。

 小動物はなおも逃げつづけているが、加速した俺の足にはかなわない。

 小動物はまっすぐ逃げるのを諦め、木に登りはじめたようだ。

 その木の下までやってくると、小動物の姿を確認できた。

 あれは、リスの仲間みたいだ。

 ここからどうやって捕まえよう。


「ハァ、ハァ、やっと追いついた。時空魔法半端ないって」


 アリスが追いついてきた。


「ほら、あそこ」


 俺が指をさしたところに小動物が所在なさげに佇んでいる。


「あ、あれは、ピコリスじゃん!索敵能力にすぐれているため滅多に人の前にはでてこないんだよ。この森にもいたんだ、今まで全然気づかなかったよ。超テイムしたい!」


「テイムってどうやるんだ?離れていてもできるのか?」


「この距離ならうまくいくかもしれない、試してみる」


 ピコリスのいる枝は俺たちの頭上3メートルぐらいのところにある。

 テイムの瞬間がみれるかと思うとワクワクするな


「汝、我が呼び声にこたえ、我と同じ時を歩まん。テイム!」


 アリスが呪文を唱えると、ピコリスの足元にテイム用の魔方陣が現れた。

 ピコリスはまだ迷っているようだ。


「うちに来てくれたら、おやつはこれだよ、ほいっ」


 アリスがナッツ系の実をピコリスに投げた。

 ピコリスがそれをキャッチするともみゅもみゅと食べ始める。

 すると、テイム用の魔方陣が縮小していった。


「やったか!?」


 それは失敗フラグだってば。と俺が思っているとピコリスが木から降りてきてアリスの肩に乗った。

 どうやら成功したみたいだ。


「キュキュー!」


「おー、よしよしよし。キューちゃん、クルミはまだあるからねー。今日はお前がうちに来てくれた祝いでいっぱい食べさせてあげるわ」


 もう名前をつけてる。しかも案の定なネーミングだった。


「テイムって初めてみたけど、結局は餌付けなんだな」


「実力があればすぐテイムできるんだけど、最初は餌次第なところがあるわ。ミューちゃんの時は干し肉で一発OKよ」


「おさわりしても?」


「もうちょっと慣れるまでは止めといた方がいいと思う。ケイもキューちゃんに嫌われたくはないでしょ?」


「そっか、それは残念だ」


 いつか絶対モフらせてもらおう。

 俺は代わりにミューちゃんをモフモフした。

 この手触り、クセになる。


「今キューちゃんと感覚をリンクしてるんだが、おー、これが索敵の感覚かぁ」


 前にアリスに聞いたのだがテイマーは仲間となった従魔と感覚をリンクすることができるらしい。

 ならば、鳥類も従魔にしたほうがいいのではないだろうか。


「今度は鳥さんを仲間にしたらいいんじゃね?」


「それは私も前から思ってることなんだけど、野性の鳥は警戒心が強くてすぐに逃げていくからねー」


「なるほどなー。今度は網でも準備してくるか。俺なら捕まえられるかもしれない」


「本当?ケイ様ありがとうございます。クロックアクセルって魔法は反則的だよー」


 キューちゃんを捕まえたばかりだからか、名前が様付きになってるぞ。

 

 それから、今度は二人で索敵をしながら森を探索し続けた。


「お、鹿発見。ケイ、ミューちゃん行くぞ。今日初の獲物だ」


 俺も槍を構え、クロックアクセルを使う。


「ミュー之介、突進だ!」


 ノリでミューちゃんの名前が変わってる。可愛そうに

 俺は鹿が逃げたときのために回り込むように移動した。


 ミューちゃんが鹿まで10mと迫ったときに向こうも気がついたようで、鹿は慌てて逃げ始める。

 だが、そこに回り込んでいた俺がいる。

 

「せいっ」


 俺の突き出した槍は鹿の胴体を狙っていたが、鹿の足にヒットした。

 その結果、鹿の逃げ足が鈍る。

 そこをミューちゃんが見逃すはずもなく、ミューちゃんの角が鹿の体にクリーンヒットした。

 

「よくやったミューちゃん。鹿肉ゲット♪」

 

 アリスは嬉しそうだが、俺は初めて生き物を殺めてしまったことにたいして漠然とした不安感を感じていた。

 生きていくためには仕方のないことだと自分に言い聞かせるが、まだ少し動揺している。

 その間にもアリスは鹿を解体するための下処理をしていく。

 首にナイフをいれ、鹿の頭を下げて血を抜く。

 また、内臓をとりだしていく。


「ケイ、収納頼める?」


「空間接続」


 俺は血抜きの済んだ鹿を安定空間にしまいこんだ。


「なんだか顔色が悪いが大丈夫?今日はここまでにする?」


「そうだな、すまない、初めてでちょっと動揺してる」


「まぁ少しずつ慣れていけばいいよ。今日はありがとね、私一人だったらキューちゃんも捕まえられなかったと思う」


「人に慣れたら触らせてくれよな」


「ええ」


冒険者になったら討伐依頼を受けることもあるだろう。

冒険者としてやっていくにはこの不安感には慣れていかないといけない。

でもやっぱり俺はモフモフをモフモフしているほうが好きだな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ