そしてこれから
あれから、1ヶ月が経過した。
アセロスフィアの仕事で定番となったサラマンダーの石の採取やアイスウルフの捕獲をこなしながらアースワンで今月分のミスリルをもらい、アースツーでは気晴らしに買い物をしたりゲームをしたりして過ごしている。
ある日、アカシックリングにイスファリア様からの着信があった。
アカシックリングに電話のような機能があると初めて知った。
イスファリア様曰く、アカシックリングにはもっと色々な使い方ができることを教えてもらった。
例えば、アイテムボックス内世界の人の夢に出て、お告げをすることだとか、スキルのない世界の人々にスキルを授けたりだとか、まさに管理者的なことができるようだ。
「世界は生み出されましたが、管理という観点からはまだ何もしていません。これからどう世界と向き合っていけばよいのでしょうか」
俺は疑問に思っていたことを聞いてみた。
「本来、特に管理はしなくても世界は世界で存続してくれます。ただ、目指してほしいところはあります。私の管理しているアセロスフィアを含む星が親宇宙だとすれば、アースワンやアースツーなどは子宇宙の星というわけ。そこで、あなたのアイテムボックス内でさらなる孫宇宙を創造または発見して欲しいのです」
「孫宇宙を作るのは俺でなくとも構わないんですよね」
「そうですね。むしろあなた以外に作ってもらった方が良いです」
「イスファリア様と俺の関係と、俺と孫宇宙作成者の関係とが同じになるようにということですか」
「はい。それが理想型」
「充分発展した星だったら、俺の時空魔法と同じようなことが出来たりするんじゃないでしょうか」
「その可能性は充分あります。もう、孫宇宙が出来ている可能性すらあります。それはあなたのアカシックリングで調べることが可能なはず」
「イスファリア様のアカシックリングではそれは調査は出来ないのですか」
「私のアカシックリングで調査は加能ですが、それではあなたのためにはなりませんから。それとあなたのアカシックリングからも私に連絡することが可能です。もし孫宇宙が見つかったなら是非教えてください。」
「そうですね、せっかくだからこの通話後すぐに調べてみます」
そうして、イスファリア様との通話は終わった。
早速、アカシックリングで色々と調べてみようと思う。
まずは、時空魔法に相当する技術を持った星があるかどうかを調べてみることにした。
すると、スファーディという星に時空に関する技術があることがわかった。
もし俺がその星にゲートをつなげると、即座に時空の歪みを検知してその星の警察機構的なものがやってくるようだ。
あらかじめ調べといて良かったと思った。
次にワールドシードを作る技術のある星があるかを調べてみたところ、同じスファーディという星にその技術があることがわかった。
ただ、スファーディを空間把握で調べてみると空気組成がこちらとは違いすぎて、その星にそのまま乗り込むことは出来ないようだった。
だが、その2つの技術が揃っているこの星から孫宇宙が生まれている可能性は高いことが判明した。
次に、直接孫宇宙のことを調べてみると、スファーディの研究所で孫宇宙を作り出していることがわかった。
最後に、俺のアイテムボックス内宇宙にアカシックリングに相当するものがあるかを調べてみると、今俺がイスファリア様から頂いているものよりは性能は落ちるが、類似のものがあることがわかった。
俺はイスファリア様に早速連絡をいれることにした。
「孫宇宙見つけました!スファーディという星に時空に関する技術とワールドシードの技術があり、そこの研究所が孫宇宙を作ってるようです」
「よく見つけましたね。確かに孫宇宙が存在してますね」
「アカシックリングの劣化版も存在しています」
「そうですね。いずれあなたに渡したものと同程度の性能には達すると思います。よくやってくれました。ケイ君、これ以上はあなたに私が求めることはないので、今後はあなたの作った世界を自由に楽しんでください」
「これで使命は達成したと思ってもいいんですよね。冒険、楽しんでます」
「そうですね。使命はこれで達成です。アカシックリングの他の機能も使いこなせればもっと色々なことができるはずだから頑張ってください」
――――――――――――――――――――――――――――――――
それから3ヶ月が経過した。
プリンタをはじめとした便利なグッズをアースツーで購入したりアースワンで珍しい動物を探しに行ったり、元気に過ごしている。
俺はアカシックリングの機能を使って、最先端の技術をアースワンにて再現することをミリスお嬢様と一緒に始めた。
アカシックリングを使うとこの宇宙全体で最も技術が進歩している星々の知識を得ることが可能だ。
アースツーは発展しているが、それをはるかに凌駕する発展を遂げている星も存在する。
そういう星の人たちとは空気組成が違って直接コミュニケーションを取れなかったりするのだが、アカシックリングを使って技術者の夢に出て色々と聞いたりすることでコミュニケーションの問題は一時的に解決した。
とにかく、人手が足りない。
まず、アースワンの農業を発展させて農業以外に従事する人を増やし、そういう人たちを教育して学問を発展させることを考えている。
学問のために製紙の技術を導入し、それまでの羊皮紙を置き換えた。
また、今後必要になるであろうからミスリル以外の貴金属の鉱脈をアカシックリングで調べ、採掘してもらうことにした。
これらの貴金属は技術が発展してから役に立ってもらう予定だ。
アカシックリングには様々な星々の英知がつまっている。
普通に世界が発展したのであれば環境問題などが問題となるが、例えばフロンを冷蔵庫に使わない、再生可能エネルギーの使用、排ガスのない電気自動車の採用など最初から解決策があるものについてはそれを採用することで、環境問題をできるだけ起こらないように工夫しながら技術を発展させている。
アカシックリング様樣である。
俺のアイテムボックスの中でビッグバンが起きた件について、時空魔法と万能言語は本当にとんでもないスキルだった。
ワールドシードを作る技術を得たら、一般人一人一人が1宇宙を持てる時代がくるのではないかと思う。
そんな時代が到来したら、技術はどこまで進歩するだろう。
「おまえんちの宇宙、素数何桁まで計算できる?」
みたいな会話がなされるかもしれない。
興味は尽きない。
これからも、俺は冒険者として働く傍らで、俺の愛すべきアイテムボックスの中の世界を飛び回っていくだろう。
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